平成51993)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

5−共研−69

専門分類

7

研究課題名

疫学研究におけるリスク評価のためのプログラム・システムの開発

フリガナ

代表者氏名

タカギ ヒロフミ

高木 廣文

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

調査実験解析研究系

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

疫学研究では、特定の疾病に対する要因の影響を適切に評価する必要がある。層別化した分割表から、リスク比、リスク差、オッズ比などを求めることは、疫学研究の基本的な方法の一つである。しかし、そのためのプログラム・システムの開発は不十分である。
本研究では各種のリスク評価の方法を検討し、実用的なプログラム・システムを構築することを目的とする。


人間集団を対象とするような調査のデザインでは、各対象について収集すべき調査項目は多数になるのが通常である。特に、疫学研究では特定人口集団を系時的に追跡し、特定の疾患の死亡や発生についてのリスク要因を探索するために、血液検査データのような検査データだけでなく、質問紙による調査データなど多種多様なデータが含まれる。これらの疫学調査データの解析を可能とするようなプログラム・システムは、各対象について数百項目におよぶデータを入力、編集、解析できるようなものでなければ、実用的ではない。
また、データ解析のための統計学的方法も多様に包含されていなければならない。とくに、生命表解析やリスク比、オッズ比などについてのプログラムは必須である。
統計学パッケージHALBAUはこのような目的のために開発されてきた。しかし、必ずしも十分な解析法が含まれていた訳ではない。HALBAUはこれまででも、極めて操作性の優れたパッケージであったが、さらにマン・マシーンインターフェイスをよくするようにした。特に集計の便宜を図ることから、基礎統計学の解析では、層別解析のオプションを充実し、かつ基礎統計をより簡単に入手し、グラフ化できるようにした。
疫学研究での、ケース・コントロール研究で各種要因のリスクを検討するために、条件付きロジスティックモデルが簡単に使用できるようにした。また、生命表解析などが容易に行えるようにした。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

高木廣文、HALBAUのバージョンアップについて、BASIC数学、第27巻第5号、1994年5月
高木廣文、HALBAU−4マニュアル、1.基本編、現代数学社、1994年4月
高木廣文、HALBAU−4マニュアル、2.基礎統計学、現代数学社、1994年4月
高木廣文、調査データ解析システム:HALBAUの開発について、第52回日本公衆衛生学会総会、1993年10月

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

これまで、層別四分表に関する共通オッズ比の近似的な推定方法、および正確な推定方法に関するプログラムを開発した。さらに、それらの信頼区間を構成するためのプログラムシステムなどを作成した。コホート研究などに基づく層別四分表の共通リスク比やリスク差の推定や、信頼区間を構成するためのプログラムはまだ作成していない。
平成5年度は、これまでの研究の成果をもとに、我々の開発した統計学パッケージHALBAUに、疫学研究で必要とされるリスク評価に関するプログラムをインストールする。また、それと平行して、リスク評価に関連する統計学的な手法の基礎的な開発・研究を行う。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

佐伯 圭一郎

大分県立看護科学大学

佐藤 俊哉

統計数理研究所