平成71995)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

7−共研−52

専門分類

7

研究課題名

生存期間が不完全データとして得られたときの統計解析法の研究

フリガナ

代表者氏名

オオタキ メグ

大瀧 慈

ローマ字

所属機関

広島大学

所属部局

原爆放射能医学研究所

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

5 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

トランケーションや左側センサリングなどを含む不完全な生存期間データに対する有効な解析法の開発を目的とする。本研究では,理論的研究だけでなく,データ解析のためのコンピュータアルゴリズムやソフトの開発をも研究の目的とする。


トランケーションや左側センサリングなどを含む不完全な生存期間データに対する統計解析法について3通りの研究を行った。その1つは、完全にパラメトリックな統計解析方法であり、「区間センサリングを含む生存期間データに対してワイブルハザードに基づくモデリングを行い最尤法により推定を行う」というものである。歯学の研究者と共同で、永久歯の欠損における年齢依存性の解析を試みた。永久歯の欠損に関する人工データを用いたモンテカルロシミュレーション研究により、偏りな無く効率の高い推定が得られることを見いだした。さらに、その応用として、永久歯の欠損データの実測値を用いて、欠損率の年齢依存性に関する推定を行った(Otani, Ohtaki et al., J. Dental Research, 1996)。その他の方法として、コックスの比例ハザードモデルを観察開始時点を移動させながら適用することで、区間センサリングに対処する方法(Matsuura, Hayakawa et al., 1995)や、疑似乱数を用いたデータ添加法による方法について、理論的ないし実データの解析を含む応用的な研究を行った。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Matsuura,M., Hayakawa, N., et al.: Survival analysis of atomic bomb survivors in Hiroshima prefecture, Japan, 1968-1982. --Cancer mortality risk among early entrants--. Hiroshima J. Med.Sci., 44: 29-38, 1995.(平成7年7月)
Otani,K., Ohtaki. M., et al.: Estimation of age-specific probability of permanent-tooth loss using the Weibull hazard model. Journal of Dental Research, 1996. (印刷中)

松浦 正明、早川式彦ら:ABS93Dによる広島県在住原爆被爆者の胃・肺・乳・結腸癌死亡のリスク評価.第36回原子爆弾後障害研究会、広島、1995.(平成7年6月4日)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

1)左側トランケーションや左側センサリングを含む生存期間データに対するパラメトリックないしノンパラメトリックな統計解析法の開発を行う。
2)上記の方法に基づいたデータ解析を実行するための効率の良いコンピュータアルゴリズムを開発する。基礎理論やアルゴリズムに対して,統計数理研究所の物理乱数発生装置を使用したモンテカルロシミュレーションにより,有効性を検討・評価する。
3)各種生存期間データに対して,上記の方法に基づく統計解析を行い,その有効性に対する実証的研究を行う。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

越智 義道

大分大学

佐藤 学

広島大学

橋本 哲男

統計数理研究所

松浦 正明

広島大学