平成212009)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

21−共研−2017

分野分類

統計数理研究所内分野分類

b

主要研究分野分類

3

研究課題名

ジャンケンゲーム課題遂行中の脳活動計測とデータ解析

フリガナ

代表者氏名

ミワケイチ フミカズ

三分一 史和

ローマ字

Fumikazu Miwakeichi

所属機関

千葉大学大学院

所属部局

工学研究科 メディカルシステムコース

職  名

助教

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究はジャンケンゲーム遂行中の脳活動を計測し,被験者とコンピューターが互いに次の手を予測しながらゲームを遂行している状況,次の手を予測されていない状況(グー,チョキ,パーがランダムに呈示されている場合)において,被験者の脳活動にどのような違いがみられるかを調べることを目的とし,タスク遂行中の正常被験者の脳活動を近赤外線スペクトロスコピーを用いて行った。
今回我々は課題の難易度を4段階に変化させることにより、負荷の増大による活動量の推移を求めた。健常成人14名に?勝ち課題(WIN)?負け課題(LOS)?交替課題(ALT)?任意課題(RND)を施行した時の同部位の活動を評価した結果、難易度は難しい順にRND>ALT>LOS>WINであり、14名中8名でALTのOxyHb変化量が最も大きく、3名でLOSが最も大きかった。また、WINとRNDが低く、ALTもしくはLOSにピークを持つ山型の変化を示した者が6名いた。以上より、中程度の難易度で最も変化が大きい例が多く、課題の難易度の上昇に伴い脳活動は漸増するのではなく、「程良い」難易度でこそ脳活動は増え、難易度が低すぎても高すぎても活動は少ないことが示唆された。
その他,コンピューターが周期的に手を出すモードにおいて,コンピューターが出す手についての情報を得ていない被験者がどのくらいの長さの周期モードでそのルールに気づき,気づく前後でどのように脳活動が変化をするかについても測定を行った。そして,被験者が気づくのは3〜5周期程度であるという行動学的な結果を得た。脳活動については追加の実験と統計解析を引き続き行っている。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

1. 松本 健二, 菊地 千一郎, 伊沢 彩乃, 三分一 史和, 石黒 真木夫, 久保田 文雄, 渡辺 英寿,加藤 敏, あとだしじゃんけん課題遂行時の難易度変化に伴う前頭前野脳血流量の推移,第39回 臨床神経生理学会 学術大会,西日本総合展示場,2009年11月18日,臨床神経生理学 pp343,第37巻第5号2009年 (優秀演題賞受賞)

2. 菊地千一郎,三分一史和,石黒真木夫,藤田晃史,松本健二,山内芳樹,杉本英治,渡辺英寿,加藤敏,コンピューターのアルゴリズムの違いによるゲーム遂行時の脳活動の変化,第12回日本ヒト脳機能学会,2010年6月19-20日,東京大学 武田ホール (演題登録済,発表予定)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

石黒 真木夫

統計数理研究所

菊地 千一郎

自治医科大学