昭和611986)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

61−共研−74

専門分類

9

研究課題名

大気汚染濃度分布のリアルタイム予測

フリガナ

代表者氏名

ノダ カズオ

野田 一雄

ローマ字

所属機関

明星大学

所属部局

理工学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

13 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

大気汚染濃度の時空間分布の実時間予測は,汚染源を規制し,環境を保全していくために,必要不可欠な作業である。現在のところ実時間レベルでの予測は,予測モデルが不完全であるために,最終的には手作業によっているが,本来的には,予測システムの完全自動化が必要である。本研究では,自動化された予測システムの設計を終局的な目的としつつ,そのために必要な事項について,効果的なモデルの構築を中心として,調査・研究を行なう。


本年度は,観測データの地域代表性を検討するために,主として,以下の2点について,研究を行った。
1.局所的な地域代表性について
窒素酸化物の道路際濃度を,交通量と風速から推定する方法について検討した。道路周辺の状況が似ている滝野川と国立の2地点を選び,滝野川のデータによって推定した回帰式によって国立の濃度を予測し,逆に,国立のデータによって推定した回帰式によって滝野川の濃度を予測した結果,1地点で得られた構造推定が,他の地点に適用できる見通しが得られた。現在,このように同定化が可能となった構造モデルの安定性を吟味するために,地点数を増すとともに,更なる解析を進めている。
2.大域的な地域代表性について
東東京地区の窒素酸化物濃度の変動を視覚化する問題について検討した。その結果,視覚化の方法としては,張力の下での薄板補間によって,濃度を表現する曲面を構成するのが適切であることが分かった。東東京地区に設置されている23ケ所の一般環境大気測定局で記録されたデータを基に,毎時刻毎の窒素酸化物濃度の曲面を,この補間法により構成した結果,地域内の変動は必ずしも一様ではなく,地点毎に変動パターンが異なるのを確認できた。しかし,その相違の程度は空間的に緩やかであり,現在の観測体制によっても,かなりの情報を獲得できることが分かった。現在,このような変動の表現を時間的にもつなぐために,東東京地区の窒素酸化物濃度を記述する時空間モデルの開発を行っている。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

1)“A Statistical Analysis of Air Pollutant Data”
The 2nd Pasific Area Statistical Conference.
2)「張力のもとでの薄板補間について」
科研費シンポジウム「統計解析における計算法の研究」
3)“Statistical analysis of air pollutant data with graphical mothods”
I.S.H.Res.Memo.No.323.


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

大気汚染濃度の時空間分布の実時間予測は,汚染源を規制し,環境を保全していくために,必要不可欠な作業である。現在のところ実時間レベルでの予測は,予測モデルが不完全であるために,最終的には手作業によっているが,本来的には,予測システムの完全自動化が必要である。本研究では,自動化された予測システムの設計を終局的な目的としつつ,そのために必要な事項について,効果的なモデルの構築を中心として,調査・研究を行なう。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

伊瀬 洋昭

東京都環境科学研究所

伊藤 政志

東京都環境科学研究所

尾崎 統

統計数理研究所

柏木 宣久

統計数理研究所

岸野 洋久

東京大学

重光 和之

広島県環境センター

清水 邦夫

東京理科大学

多賀 保志

(財)日本鯨類研究所

田村 義保

統計数理研究所

中村 晃

北海道大学

廣崎 昭太

国立環境研究所

松本 幸雄

国立環境研究所