平成111999)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

11−共研−2033

専門分類

4

研究課題名

個票データの開示におけるリスクの評価と官庁統計データの公開への応用

フリガナ

代表者氏名

サイ シドウ

佐井 至道

ローマ字

Sai Shido

所属機関

岡山商科大学

所属部局

商学部

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

8 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本共同利用研究は,目的外申請した官庁統計の個票データについて,これまで蓄積された結果と新た
に開発する統計的手法によって,個々の個票データ特有の問題を含めた開示のリスクの評価と秘匿措
置を行うことを目的にしていた。
 これまでの評価手法は単独の標本調査に対して,しかも設定を単純化した場合に,母集団でも標本
でも一意である個体数を危険性の指標とするものであったため,まず新たに時系列的な要素,標本抽
出法などを考慮に入れた上で議論を行った。(佐井至道,加納悟,サンプリング法を考慮した労働力
調査の個票データの一意性の検討)またこの種の検討の際にはキー変数の組み合わせであるセルを併
合する必要があるが,これまで,その操作後に個票データがどの程度安全になるかは明瞭ではなく,
勘に頼る部分が大きかった。そこでセルの併合の前後における一意である個体数の指標の変化のメカ
ニズムの解明を行った。(佐井至道,竹村彰通,個票データにおける分類の併合モデル,Takemura,
A.,Some superpopulation models for estimating the number of population uniques)更に一意である個体数
という危険性の指標の一般化も行った。(佐井至道,予測個体数の期待値に基づく個票データのリス
ク評価)これらの概要については添付した別紙に記載している。
 上記の内容を含む個票データに関する問題の検討のために,インフォーマルな研究会を1回,外部
に開かれたシンポジウムを2回,研究所内で科研のグループと共同で開催して意見交換を行った。
 また本共同利用研究の参加者のうち,加納悟,竹村彰通,田村義保,佐井至道は個票データの秘密
保護について総務庁統計局統計基準部が開催した研究会に,委員,研究協力者として参加した。この
研究会では昨年度から今年度にかけて,秘匿措置を施した後の個票データの有用性について,秘匿の
前後のデータから得られる解析結果を比較することによって検証しているところである。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

「調査データ公有化における諸問題」第1回シンポジウム
プログラム
日時: 1999年7月3日(土)10:00-16:30
場所: 統計数理研究所研修室(新館2階)
[午前の部]
10:00-10:30
Spatial Gaussian Priorを用いた母集団一意性の事後確率
大森 裕浩 東京都立大学経済学部
10:30-11:15
Pitmanの2母数型GEM分布と標本度数の分布
大和 元 鹿児島大学理学部
11:15-11:45
最小危険集合・最大安全集合の概念にともなう諸問題
竹村 彰通 東京大学経済学部
[午後の部]
13:15-13:30
局所再符号化法とそのデータ解析法について ?実験に基づくコメント?
打浪 清一 九州工業大学工学部
13:30-14:00
個票データにおける分類の併合モデル ?労働力調査の個票データへの適用?
佐井 至道 岡山商科大学商学部
竹村 彰通 東京大学経済学部
14:00-14:30
ミクロデータの開示とデータリンケージ
美添 泰人 青山学院大学経済学部
14:45-16:30 パネルディスカッション
「我が国におけるミクロデータ提供の環境について」
パネリスト: 渋谷政昭,永山貞則,松田芳郎,加納悟,杉山茂
「調査データ公有化における諸問題」第2回シンポジウム
プログラム
日時: 2000年1月7日(金)10:00-16:00
場所: 統計数理研究所研修室(新館2階)
[午前の部]
10:00-10:45
竹村彰通 東京大学経済学部「母集団一意数推定の考え方」
10:45-11:30
渋谷政昭 高千穂商科大学「Pimanの2パラメータ確率分割」
及び「擬似調査データの生成」
11:30-12:15
星野伸明 金沢大学経済学部 "On application of Pitman's sampling formula to microdata disclosure
risk assessment"
[午後の部]
13:30-14:15
佐井至道 岡山商科大学商学部「個票データからの個体の予測」
14:15-15:00
瀧 敦弘 広島大学経済学部「PRAM(Post Randomization Method)法について」
15:00-15:45
加納 悟 横浜国立大学経済学部,佐井至道 岡山商科大学商学部
「労働力調査とローテーションサンプリング」

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

打浪 清一

九州工業大学

大森 裕浩

東京都立大学

加納 悟

横浜国立大学

瀧 敦弘

広島大学

竹村 彰道

東京大学

田村 義保

統計数理研究所

福重 元嗣

神戸大学