平成91997)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

9−共研−105

専門分類

8

研究課題名

統計学の社会貢献促進のための研究

フリガナ

代表者氏名

ササキ マサミチ

佐々木 正道

ローマ字

所属機関

兵庫教育大学

所属部局

学校教育学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

7 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究の目的は、現代の日本社会が直面している諸問題に関しての意識調査を行い、その結果を地域社会に還元することを通して、統計学研究を実社会生活に活かして行くことのできるものに進めていくことである。具体的には、特定の地域に絞って、ボランティア活動、リサイクル問題、社会福祉などに関する調査を行い、それらを多様な解析法を用いて分析し、その成果を社会に提供していく。


現代の日本社会が直面している諸問題を統計学手法をもちいて検討し、その結果を社会に還元することを目的にしたプロジェクトの一環として、昨年度に引き続き、東京都目黒区において、住民基本台帳から無作為に抽出したサンプルを用いた調査を行なった。
本年度は地域社会とボランティア活動についての分析に焦点をあてて調査データを分析し、ボランティアへの関心と活動経験が心理面に及ぼす影響、ならびに介護経験・家族関係とボランティア活動との関連について明らかにした。
例えば、分散分析と多重分類分析の結果、ボランティアへの関心と活動経験は、性別年齢階級と健康状態の影響をコントロールしても、自尊感情・はりあい感・活力感・達成感に対し、統計的有意な影響を及ぼしているが、家庭内有用感と孤独感に対する「ボランティアへの関心と活動経験」の主効果は、有意ではないことがわかった。
また、介護経験・家族関係とボランティア活動については、ボランティア活動への関心がある人は、地域との結びつきが40-60代の主婦や家族に介護を受けている方をもつ家庭のメンバーであることが、数量化?類による分析で明らかになった。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

○川元克秀,岸野洋久,柴田博(東京都老人総合研究所),地域社会とボランティア活動(その1)
?ボランティアへの関心と活動経験が心理面に及ぼす影響?,日本福祉教育・ボランティア学習学会,
1997年11月 ○岸野洋久,川元克秀,柴田博,地域社会とボランティア活動(その2)?介護経験・家族
関係とボランティア活動との関連?、日本福祉教育・ボランティア学習学会、1997年11月

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

平成8年度は、社会福祉に関する調査を目黒区において行った。本年度は、そのデータを様々な手法を用いて分析し、回答者や関連団体に分析結果を提供し、統計の地域還元を実践する。さらに、長寿社会を支える家族、コミュニティー、制度に関するものをはじめとした、地域社会に密着したテーマを選らんで調査を行う計画である。統計数理研究所をベースとして市民の日常生活に関連の深いデータを収集し、それらの統計分析を通して、統計学研究と地域社会との結びつきを促し、統計学研究の社会的役割を考えていくことは、本研究所にとって有益であると考える。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

釜野 さおり

国立社会保障・人口問題研究所

川元 克秀

東京都老人総合研究所

岸野 洋久

東京大学

中村 永友

札幌学院大学

林 文

東洋英和女学院大学

吉野 諒三

統計数理研究所