平成212009)年度 共同利用登録実施報告書

 

課題番号

21−共研−12

分野分類

統計数理研究所内分野分類

f

主要研究分野分類

5

研究課題名

台形凹凸を有する平板間流れの流動特性

フリガナ

代表者氏名

アサジ ノイ

浅地 野衣

ローマ字

Asaji Noi

所属機関

秋田大学

所属部局

大学院工学資源学研究科機械工学専攻

職  名

大学院生

 

 

研究目的と成果の概要

近年,世界的なエネルギー不足や環境問題が深刻化しており,クリーンで環境に優しい発電システムの開発が求められている.これらの問題を解決する発電システムとして注目を集めているのが海洋温度差発電である.この発電システムは海の表層の温水と深層の冷水の温度だけで発電することができるため極めてクリーンで環境に優しい発電システムである.この発電システムでは蒸発器や凝縮器といった熱交換器にプレート式熱交換器を導入しているため,プレート式熱交換器の性能向上は極めて重要である.本研究ではプレート式熱交換器のモデルとして平行平板の両側に周期的な台形溝を設けた流路を取り上げ,数値解析により流動状態と圧力損失特性との関係や台形溝の形状と圧力損失特性および熱伝達特性との関係を明らかにする.
流動状態と圧力損失特性との関係では定常流領域の場合,摩擦抗力が主に圧力損失の原因となるが,非定常領域では摩擦抗力に加え形状抗力が効いてくるため圧力損失の急激な増加の原因となる.台形溝の形状と圧力損失特性との関係では定常流領域の場合,圧力損失は下流側に斜面部分を設けた方が溝内の渦を小さくでき主流が溝内に流れこみ摩擦抗力は増加する. 非定常領域では溝内の渦が上下に動くため下流側に矩形部分を設けた方が渦を捕まえやすく,よどみ圧が高くなり形状抗力は増加する.台形溝の形状と熱伝達特性との関係ではレイノルズ数Reが50〜200の範囲では溝の上流側に斜面部分を持つ流路は溝の上流側に矩形部分を持つ流路に比べ対流熱伝達を向上させる効果があることを明らかにした.