平成81996)年度 共同研究B実施報告書

 

課題番号

8−共研−5

専門分類

3

研究課題名

経済時系列モデルの開発

フリガナ

代表者氏名

キタガワ ゲンシロウ

北川 源四郎

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

予測制御研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

金融データなどの経済データにはしばしば非定常性、非線形性、非ガウス性が見られる。本研究では最近急速に発展しつつある、ベイズモデルや非線形・非ガウス型の状態空間モデルを利用して、係数が時間変動したり、分散が時間変動する複雑な経済時系列のモデルを開発し実用化することを目的とする。


金融データなどに特徴的にみられる非線形性・非ガウス性・非定常性を表現するために状態空間モデルを用いた新しいモデルの開発をおこなった。とくに、株価データのようにトレンドと時間的に分散が変動するトレンド周りの変動からなる時系列のモデル化を行った。 │
開発したモデルは非線形・非ガウス型なので、その状態推定・パラメータ推定にはモンテカルロ・フィルタを用い、そのリサンプリングの方法、平滑化の方法など計算法に関する改良も行った。
また、モンテカルロ・フィルタによって計算される尤度には誤差が含まれるので、通常の非線形最適化によるパラメータ推定には問題があることがわかった。
その対策として、状態ベクトルに未知パラメータを入れて拡大しその状態を直接推定することにより、フィルタリングとモデルのパラメータ推定を同時に行う、自己組織型モデルと呼ぶ新しいモデリングの方法を開発した。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Genshiro Kitagawa, Monte Carlo Filter and Smoother for Non-Gaussian Nonlinear State Space Models, Journal of Computational Graphical Statistics, Vol.5, No.1 1996年6月
Genshiro Kitagawa and Will Gersch, Smoothness Priors Analysis of Time Series,Springer-Verlag New York, 1996年8月

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

研究代表者と分担者が従来行ってきた関連する研究を統合し、共同研究を行うことにより、よりいっそうの発展をめざしたい。具体的には以下のような研究を計画している。1。時変係数多変量時系列モデルの実用化と非定常多変数システムの解析 これまでに各研究者が独自に開発してきた時変係数時系列モデルの推定法を比較検討しより実用的な推定法の開発を試みる。さらにその結果を利用して新しいシステム解析法の開発を試みる。2。時変分散モデルの開発。 経済時系列の分野ではいろいろな分散変動型のモデルが開発されているが、非ガウス型状態空間モデルを利用する新しいモデルとその推定法に関する研究を行う。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

Gersch Wilbert, Milton

University of Hawaii

Jiang Xing-Qi

旭川大学

永原 裕一

明治大学