平成41992)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

4−共研−59

専門分類

7

研究課題名

アニマルモデルを用いた種畜評価についての研究

フリガナ

代表者氏名

ワダ ヤスヒコ

和田 康彦

ローマ字

所属機関

農林水産省畜産試験場

所属部局

育種部

職  名

主任研究官

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

混合線形モデルの1種であるアニマルモデルを用いてフィールドデータによる種畜の遺伝的能力評価を実施するに当たっての統計学上および数値計算上の問題点を明らかにし、わが国の現状にマッチした種蓄評価手法を確立することを目的とする。


雌牛の遺伝能力をフィールドデータによって評価する手法としてアニマルモデルによるBLUP法が使用されるようになってきた。しかしながら、雌牛1頭あたりの後代の記録は通常数記録にすぎないために、血縁個体の記録をすべて利用するアニマルモデルを用いても評価値の正確度は必ずしも高くならない。従って、実用に供するためにはできる限り評価値の正確度を高める必要がある。
そこで、雄牛の遺伝能力と環境効果の間に交互作用が存在する場合に評価値の正確度がどの程度低下するのかをコンピュータシミュレーションを用いて検討した。真の遺伝能力と環境効果の母数水準の間に0.0, 0.3, 0.6の相関が生じるように初期集団を設定し、親子交配と全きょうだい交配を除く任意交配により後代を作成し、後代検定の結果によって雌雄とともに下位1/4を集団から淘汰し、子世代から父母の検定結果の平均の高いものから集団に補充した。
これを6世代繰り返した後、全データを用いてアニマルモデルによる評価を実施し、評価値と真の遺伝能力との相関を求めた。その結果、雌牛における真値と評価値の相関は遺伝率0.5の時、0.59, 0.56, 0.51と交互作用が大きくなるにつれて低くなった。また、雄牛においても0.96, 0.95, 0.94と差は小さいものの交互作用が大きくなるに従って若干の減少を示した。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

和田康彦・建部 晃・松本成生・柏木宣久、赤池のベイズ型情報量規準を用いた乳用種雄牛評価におけるモデル選択、日本畜産学会報、64巻、4号、平成5年4月
Wada, Y., A. Takebe, N. Kashiwagi and T. Abe, Selection of fixed effects in sire evaluation models using Akaike's Bayesian information criterion, Anim.Sci. Technol.(Jpn.), (In Press)


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

情報量統計学にもとづいたモデル選択手法を種畜の遺伝的能力評価におけるアニマルモデルに適用して、フィールドデータにおける最適モデル検索のためのプログラムを作成し、その手法の有効性について検討する。
統計数理研究所は情報量統計学を創始された研究所であり、現在でもこの分野のリーダーとして研究・教育の両面で積極的な活動を実施されているので、貴所と共同研究をする意義は極めて大きいと思われる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

柏木 宣久

統計数理研究所