平成192007)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

19−共研−1016

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

7

研究課題名

高頻度データを用いた多変量ボラティリティモデルの比較実証分析

フリガナ

代表者氏名

モリモト タカユキ

森本 孝之

ローマ字

Morimoto, Takayuki

所属機関

一橋大学

所属部局

大学院経済学研究科 経済統計講座 統計・ファイナンスコース

職  名

特任講師

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究の目的は,近年盛んに研究が進められている高頻度データを用いた多変量ボラティリティモデルの比較実証分析を行うことである。具体的には,まず高頻度収益率データを用いた日内多変量GARCHモデル,特にここでは予測精度と取り扱いの良さからDynamic Conditional Correlationモデルに焦点を当てる.次に,1変量の高頻度収益率の日内の二乗和として計算される実現ボラティリティ(Realized Volatility)の多変量への単純な拡張として2変量間の高頻度収益率データの交差積の和として計算される実現共分散(Realized Covariance)を用いる.本研究では,これら2つの多変量ボラティリティモデルの比較実証分析を行う.
本年度の成果としては、共同研究一年目ということもあり、まず実証分析を行う際に必要となる統計数理研究所所有の高頻度金融データベースの整理分類を行った。また本研究で参考となる先行研究の論文等の文献を入手し、各自で手分けして読み、最新の統計モデルに関して理解を深めた。そして、来年度以降の研究計画が話し合われ、主に3つの研究テーマを分析対象とすることになった。それらのテーマは、(1) 非同期観測時の複数資産の共分散推定とリスク管理、(2) 株式投資単位の引き下げが流動性に与える影響について、(3) 値幅制限が日中価格変動に与える影響について、である。来年度以降は、これらのテーマを中心に積極的に研究を進めていく予定である。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

・ 研究発表
1. 「Estimation of market risk using realized variance and relative jump measure: Evidence from the Tokyo Stock Exchange」,計量経済学研究会(Econometrics Workshop 2007),2007年5月11日(金),神戸大学経済学部本館107号室 神戸市灘区.
2. 「An optimal weight for realized variance based on intermittent high-frequency data」,2007年度経済統計ワークショップ,2007年6月22日(金),一橋大学第2研究館小会議室(2階217号室) 東京都国立市.
3. 「An optimal weight for realized variance based on intermittent high-frequency data」,2007年度 統計関連学会連合大会,2007年9月7日(金),神戸大学 神戸市灘区.
4. 「ランダム行列による高頻度金融データの解析」,2007年度中之島ワークショップ 金融工学・数理・計量ファイナンスの諸問題,2007年12月1日(土),大阪大学中之島センター 7階講義室2 大阪市北区.
5. 「資産市場における飛躍の実証分析」,大阪大学 金融・保険セミナーシリーズ 第13回,2008年2月29日(金),大阪大学基礎工学部B棟1階B104教室 豊中市.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

開催しなかった

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

川崎 能典

統計数理研究所

笛田 薫

岡山大学

森安 洋

長崎大学