平成61994)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

6−共研−56

専門分類

7

研究課題名

成人病の要因としての肥満と生活習慣との関連

フリガナ

代表者氏名

トヨカワ ヒロユキ

豊川 裕之

ローマ字

所属機関

東邦大学

所属部局

医学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

6 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

肥満が成人病を誘発させる一要因であることは、言うまでもなく、さらに現在最も深刻な問題となっている。しかしその肥満の原因については複雑であり、遺伝要因および生活習慣を始めとする多要因であることは疑いない。本研究ではこれらの要因のうち、特に生活習慣に着目し、生活習慣と肥満ひいては成人病との間に存在する因果関係についての検討を試みる。


中小企業の従業員を組合員とする健康保険組合員を対象として、皮下脂肪厚の測定と、食習慣を中心とした生活習慣についての質問紙調査を実施し、両成績の関連を求めた。なお、皮下脂肪厚については、研究参加者がAモード式超音波皮下脂肪厚計を用いて、身体各部(8部位)の値を測定し、生活習慣についての質問票として(財)日本労働文化協会による食生活診断質問票を用いた。
分析方法としては、個々の部位の皮下脂肪厚値と個々の質問内容との関連を求めることはせずに、皮下脂肪厚および質問項目をそれぞれ変数として主成分分析を行い、その際に得られた主成分得点を皮下脂肪厚および生活習慣の要約統計量として、要約統計量同士の関連を求めることを試みた。
対象数は男性294名、女性68名であり、分析は男女別に行った。得られた主成分は、男女とも同様な内容であり、皮下脂肪厚については、肥満を示す成分と、脂肪のつき型を示す成分の2つの主成分であり、生活習慣については、摂取量の多寡についての成分、食事時間等の生活の規則性についての成分、酒・タバコ等の嗜好品についての成分の3つの主成分が得られた。
これらの成分についての主成分得点間の相関を求めたが、有意な相関は得られず、皮下脂肪厚と生活習慣の間には積極的な関連は見いだせなかった。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

第60回日本民族衛生学会総合(平成7年11月)を予定

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

申請者が研究のフィールドとして長期に亙る観察を続けている、長野県上伊那郡長谷村の住民及び都内の健康保険組合の組合員を対象として、皮下脂肪厚の測定、生活習慣に関する質問紙調査を実施する。なお、皮下脂肪厚の測定には、Aモード式の超音波皮脂厚を用いる。なお、得られた調査結果を、申請者らが過去に測定したデータとリンクしその変化について系時的に検討する。さらに、自治体及び健康保険組合が実施した健康診断の結果とドッキングし、生活習慣と肥満および成人病リスクとの因果関係やその程度について、適当な統計的モデルを作成して検討する。この際、結果に影響を及ぼす交絡要因の存在が予想される。このような時系列データの解析や交絡要因の影響の除去および因果関係解明のためには、複雑にしてかつ高度な統計学的手腕が必須であり、本研究の遂行においては、統計数理研究所のスタッフの協力なしでは不可能である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

城川 美佳

東邦大学

駒澤 勉

統計数理研究所

高柳 満喜子

東邦大学

中谷 弥栄子

東邦大学

西川 浩昭

筑波大学