平成81996)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

8−共研−55

専門分類

5

研究課題名

統計物理と統計学の境界領域の研究

フリガナ

代表者氏名

イバ ユキト

伊庭 幸人

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

予測制御研究系

職  名

助手

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

統計物理の手法や概念が統計学にどのように適用されるかを考察する。また、統計的な考え方が統計物理に役立つか否かを検討する。


本共同研究では統計物理と統計学の関係及びそれらに共通する計算手法について研究してきた。本年度もこの主題に沿っていくつかのテーマについて議論と共同研究を行った。
伊庭は阪大理学部において (1)画像問題・分類問題におけるマルコフ連鎖モンテカルロ法の応用、(2)平均場近似の統計における応用、(3)量子連想記憶、のテーマで講演した。また、統計物理と統計学の境界領域についていままでに書いた解説論文を共同研究レポートとしてまとめた。
伊庭と菊池は時田恵一郎(阪大理)とともにヘテロポリマーの設計問題及びそれと関連したマルコフ連鎖モンテカルロ法の技術について研究を開始した。
この研究の中間結果は物理学会で発表した。ヘテロポリマー(たとえば蛋白質)の設計問題とは、モノマー(たとえばアミノ酸)の間の相互作用を与えたときに、ポリマーが低温で与えられた形状をとるようにモノマーの配置を決める問題である。
これはもともと一種の逆問題であるが、確率分布の当てはめという形に定式化した場合には、統計的な推定問題あるいは学習問題と類似性を持ち、本共同研究の観点からも大変興味深い。この研究は次年度も継続する予定である。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

菊池誠、伊庭幸人、時田恵一郎、ヘテロポリマーの設計問題、物理学会、97年3月31日
伊庭幸人、量子連想記憶、第19回情報理論とその応用シンポジウム、96年12月5日
伊庭幸人、重回帰分析の変数選択におけるベイズ的方法??平均場近似に基づくアプローチ??
第19回情報理論とその応用シンポジウム、96年12月5日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

(1)統計物理の手法や概念が統計的推定の研究に果たす役割を考察する。(2)統計物理の基礎を統計学の研究者に、また、統計学の基礎を統計物理の研究者に分かり易く解説し、相互理解を深める。(3)統計物理・量子物理における数値計算・モンテカルロ計算に統計モデルの概念が百効であるか否かを検討する。(1)〜(3)を実現するためには統計数理研究所の研究者と所外の研究者の協力が不可欠である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

菊地 誠

大阪大学