平成222010)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

22−共研−2015

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

5

研究課題名

統計的モデルに基づく船舶のトラッキングの研究

フリガナ

代表者氏名

キタガワ ゲンシロウ

北川 源四郎

ローマ字

Genshiro Kitagawa

所属機関

統計数理研究所

所属部局

職  名

所長

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

研究目的: 船舶のオートパイロットは従来PID制御則に基づいて設計されてきたが, 1970年代に研究代表者および分担者は時系列モデリングと最適制御理論に基づく全く新しい制御方式の開発に成功した。この基本的方法を発展させ減揺型オートパイロットおよび外乱適応型オートパイロットが実用化され, ?三井造船昭島研究所あるいは横河電子機器?から発売されている。
今回の共同研究の目的は, 従来の一定針路を自動的に保持する保針制御を超えて, 操舵に伴うエネルギー損失も考慮しながら, 任意に指令された目的航路に沿って航行させるトラッキングを実現することである。これによって, 基本的には直進状態を想定した従来のオートパイロットと異なって, 任意に設定された目標に対して最適に制御することが可能となり, 海運における省エネルギーの実現に繋がることを目指した。
成果の概要:
(1) 前年度末に実船実験を実施して取得した操船記録とGPS位置情報の同時に観測記録を用いて,船体システムを表現する非線形多変量時系列(RBF-ARX)モデルを同定した.
(2) 同定されたモデルに基づきトラッキング制御則を導出し, シミュレーションにより制御パラメータの調整を行った.
(3) 東京海洋大学において,設計した制御系を実装する制御システムの開発を行った.
(4) 東京海洋大学の練習船潮路丸を用いて実船実験を行った.10月24日?30日にはPeng教授が来日して,設計・制作したシステムの確認および潮路丸による予備的実験を行った.さらに平成23年1月?3月にはPeng教授の大学院生が来日し,パラメータ調整,プログラムの修正を行い,3月に潮路丸による実船実験を行い良好なトラッキング性能を持つことを確認した.
(5) 現在,実験結果の詳細な分析を行うとともに,実験を報告する論文を作成中である.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Hui Peng, Kohei Ohtsu, Genshiro Kitagawa, and Hiroyuki Oda, “A Statistical Modeling and Tracking Control Approach to Marine Vehicle,” 2010 IEEE Multi-conference on Systems and Control, Sept. 2010, Yokohama, Japan.

Hui Peng, Genshiro Kitagawa, Jun Wu and Kohei Ohtsu, Multivariable RBF-ARX model-based robust MPC approach and application to thermal power plant, Applied Mathematical Modeling, Vol. 35 (2011) 3541-3551.

Jun Wu, Hui Peng, Kohei Ohtsu, Genshiro Kitagawa and Tohru Itoh ,Ship’s Maneuvering Model and Tracking Control Based on RBF-ARX Model, (in preparation)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

大津 皓平

東京海洋大学

榧野 純

東京海洋大学

彭 輝

中南大学