平成282016)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

28−共研−2013

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

8

研究課題名

時系列成長を局外ベースラインとした回帰モデルの構築について

フリガナ

代表者氏名

カモ ケンイチ

加茂 憲一

ローマ字

Kamo Ken-ichi

所属機関

札幌医科大学

所属部局

医療人育成センター

職  名

准教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

153千円

研究参加者数

4 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究においては、Cox比例ハザードモデル等で用いられる局外ベースラインに関するコンセプトを成長解析に適用することを目的とする。パラメトリックな設定が困難な場合、あるいは不適切な場合に多用される手法である。局外ベースラインを用いずに、パラメトリックな設定下でも様々な議論は可能であるが、もし設定が不適切であった場合には結果がミスリードされてしまう危険性がある。この点に関して、局外ベースラインを用いることによい、パラメトリックな構造を設定することなく興味対象のみの推定等が可能となることが期待される。
成長解析においては、時系列の成長部分をどのように設定するかが問題である。時系列成長は、当初指数的なものが最終的には上限値に漸近するシグモイド型であることが知られているが、この挙動を表現するために様々な成長関数が提案されている。成長に主影響を与える時間的要因を、成長関数を用いてパラメトリックに行うことなく、成長に影響を与える外的要因(地形要因や競合要因)に関する議論を展開するために、時系列の成長部分を局外ベースラインに設定した回帰モデルを構築し、実データを用いて妥当性の検証を行った。
実解析においては、2002〜2003年にかけて星野村で採集されたスギの成長データを用い、時系列成長部分をベースラインとした解析を行った。その際には、成長関数(Richards関数)による非線形回帰モデル、線形回帰モデル、両方をミックスしたモデルとの比較検討を行った。その結果、パラメータの推定量は似通っていたものの、標準誤差と残差分散の両方において局外ベースラインを適用したモデルが最も性能良い結果が得られた。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

【論文発表】
K.Kamo, T.Tonda, K.Satoh: Growth analysis using nuisance baseline. FORMATH, 16, 1-10, doi: 10.15684/formath.16.002, 2017.

【学会発表】
K.Kamo :Regression model approach for evaluating forest growth. IUFRO International Symposium FORCOM/SFEM/2016(三重大学), 2016年8月30日〜9月2日(発表30日,ポスター).

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

ありません

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

佐藤 健一

広島大学

冨田 哲治

県立広島大学

吉本 敦

統計数理研究所