平成51993)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

5−共研−78

専門分類

7

研究課題名

地域健診結果判定のための新しい方法論の開発

フリガナ

代表者氏名

イナバ ユタカ

稲葉 裕

ローマ字

所属機関

順天堂大学

所属部局

医学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

5 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

地域健診の検査結果と成人病(肝硬変、悪性新生物、脳血管疾患、虚血性心疾患)の発生データを用いて、要指導・要治療判定のための個人データの変動を指標とした新しい方法論を開発するとともに、従来の絶対値を基準とした方法との効率の比較検討を行う。複数の検査法を組み合わせた基準の開発も行う。


山梨県東山梨郡の2町村で、役場によって実施された平成5年までの検診データの一部を入手し、磁気入力した。平成4年の国民健康保険加入者の罹患を国民保険診療報酬請求明細書(国保レセプト)と平成5年の一部を調査することによって入手し、現在整理中である。平成4年1月に実施された成人病罹患調査については、罹患データとして用いるための整理・変換が終了した。このデータをマスター名簿とし、平成 4年の死亡データと住民票から転出者を入手して、磁気入力した。
データの分析は、本年度はコホート研究の手法により、昭和48年から平成3年までの18年間の健診受診データ(約3,500名)を用い、血清トランスアミラーゼ(GOT,GPT)、硫酸亜鉛混濁反応(ZTT)、総コレステロール(TCH)の肝機能検査成績と肝硬変、肝がんの罹患率・死亡率の関連を解析し、罹患率、死亡率についてコホート調査における人時データの比率の検定を行った。また、肝機能検査成績異常群と正常群とで相対危険を算出した(第52回日本公衆衛生学会で発表)。その結果、多くの検査成績異常群で相対危険が高く、統計的に有意となった。今後、国民健康保険加入者の偏り、カットオフ値の検討、さらに累積罹患率や累積死亡率など、他の指標を用いての解析が必要であることが示唆された。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

コホート研究による肝機能検査成績と肝疾患発生との関連性:稲葉 裕,平成3,4年度科学研究費補助金(一般研
究C)研究成果報告書,平成5年10月
稲葉裕,白石安男,菊地正悟,高橋美智子,佐藤俊哉,高木廣文,縣俊彦:コホート研究による肝機能検査成績と肝
疾患発生との関連性,第52回日本公衆衛生学会総会,1993.10.20

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

山梨県の2町村の昭和48年から平成4年までの健診データ、昭和57年から平成4年までの死亡データが入手可能である。また昭和58年から平成3年までの国民健康保険のレセプト調査と平成4年1月に実施された成人病罹患調査からある程度の罹患データも利用できる。
これらのデータを用いて、成人病の予防という面から、どのような指標が地域健診に最も適しているかを比較検討する。対象人口が約5000人となり、かなり大量のデータを扱うことになり、複雑な指標の設定を考えているため、専門家との協力が必要である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

菊地 正悟

順天堂大学

黒沢 美智子

順天堂大学

佐藤 俊哉

統計数理研究所

高木 廣文

統計数理研究所