平成242012)年度 共同研究集会実施報告書

 

課題番号

24−共研−5004

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

4

研究課題名

電離圏・磁気圏モデリングとデータ同化

フリガナ

代表者氏名

ナカノ シンヤ

中野 慎也

ローマ字

Nakano Shin'ya

所属機関

統計数理研究所

所属部局

モデリング研究系

職  名

助教

配分経費

研究費

40千円

旅 費

109千円

研究参加者数

12 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

電離圏・磁気圏は,宇宙空間の中でも最も地球に近い領域に対応する.電離圏・磁気圏環境の研究は,宇宙開発が進展し,宇宙インフラの重要性が高まるとともにますます重要になっている.一方で,衛星撮像データや衛星・地上の多点観測データなど,電離圏・磁気圏の広い空間領域にわたるデータが高い時間分解能で取得されるようになり,大量のデータセットを統合・活用した,電離圏・磁気圏現象の包括的な解析,モデリング研究への気運が高まりつつある.特に,大量の観測データと物理法則を記述する数値シミュレーションなどの動的モデルとを統合し,システムのダイナミックな描像を提示するデータ同化は,今後ますます重要性を増していくものと考えられる.本研究集会では,講演者10名を含め,全体で20名近くの参加者が集まり,データ同化手法や逆問題解析手法の電離圏・磁気圏環境の応用事例について情報交換するとともに,新たな課題の検討や新しい手法について活発な議論を行った.
まず,Oregon State UniversityのBrad Weir氏には,新しいデータ同化手法の紹介として,implicit particle filterについての解説をお願いした.次に,スウェーデン宇宙物理研究所のBjorn Gustavsson氏に,電離圏非干渉散乱レーダーの解析事例について紹介していただいた.その他,放射線帯,プラズマ圏への応用事例の紹介や,電離圏の対流構造の推定に関して,レーダーのデータや光学観測データの活用に関する問題提起,また電離圏シミュレーションモデルを用いたデータ同化研究の展望についての紹介など,様々なテーマに関する密な議論が行われた.問題提起については,2日目の後半に確保した討論の時間での議論を通じて,実際に研究テーマとして具体化する道筋を作ることができたので,今後の展開が期待されるところである.以上ように,様々な具体的テーマについて有意義な議論を行うことができ,非常に実りの多い研究集会であった.本研究集会は,前年度に名古屋大学で開催したものに引き続くものという位置づけであったが,来年度以降も名古屋大学と交代で継続して開催して行きたいと考えている.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

ホームページ
http://daweb.ism.ac.jp/contents/information/workshop/91-midaws2.html

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

上野 玄太

統計数理研究所

河野 英昭

九州大学大学院

後藤 由貴

金沢大学

品川 裕之

独立行政法人 情報通信研究機構

陣 英克

独立行政法人 情報通信研究機構

垰 千尋

宇宙航空研究開発機構

外山 晴途

名古屋大学

長尾 大道

統計数理研究所

中村 和幸

明治大学

堀 智昭

名古屋大学

三好 由純

名古屋大学