平成16（2004）年度　一般研究２実施報告書

課題番号	16−共研−2020			専門分類		3
研究課題名	粒子型フィルタによる時系列解析の動的識別問題への応用
フリガナ 代表者氏名	イコマ　ノリカズ 生駒　哲一			ローマ字		Ikoma Norikazu
所属機関	九州工業大学
所属部局	工学部
職　　名	助教授
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配分経費	研究費	0千円	旅　費		0千円		研究参加者数	6　人

研究目的と成果（経過）の概要

近年実用的になってきた,モンテカルロフィルタをはじめとする粒子型フィルタを用いて,種々の動的
識別問題を解決することを目的としていた。動的識別問題としては,
1)移動体の追跡問題において,対象物が等速運動・等加速度運動・ターン等のいくつかの典型的動
き(モード)をすると想定される場合に,対象物の位置の時系列情報だけから対象物のモード及
び速度・加速度等をオンライン推定する。
2)動画像中に複数の移動物体(剛体)が存在するシーンでの特徴点軌跡のボトムアップ処理におい
て,各特徴点がどの物体に属するのかを動的に推定する。用いるモデルとしては,同一物体上の
特徴点は同一の速度で移動している性質を利用する。このモデルにより,動画像中の移動物体の
形状と姿勢を推定する。
3)コンピュータシステムのユーザインターフェースにおいて,ユーザの現在の状態を推定すると共
に,多数のユーザの反応データからオフラインで推定されたユーザのタイプに対して,現在のユ
ーザがどのタイプに属するのかをオンライン推定する。各タイプへの所属度と,ユーザのタイプ
ごとに定められた最適なユーザインターフェースから,現在のユーザに対して最適なインターフ
ェースを提供する。
の3つを検討することを,当初の目標としていた。
　これらのうち,2)については,次頁の論文番号3,4,6にて成果を発表した。3)については,論文
番号1にて成果を発表した。1)については,特に成果はなかったものの,別の事項として,全方位カメ
ラによる指画像の追跡というテーマに取り組み,論文番号5にて成果を発表した。これは,将来的な新
しいユーザインタフェース(指による自然な入力)を念頭においたものである。また,成果発表は今年
度中には行わなかったが,粒子型フィルタの並列化に関する研究を行った。
　統計数理研究所の計算機設備を利用し,研究を進めた。特に,粒子型フィルタの並列化に関しては,
並列計算機システムを有効利用した。
　配分された予算は,研究員等旅費を,統計数理研究所における設備利用や研究打ち合わせの際に使用
した。

当該研究に関する情報源（論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等）

1)N.Ikoma,W.Pedrycz,T.Hyakudome,and H.Maeda,"Adaptive touch panel user interface by
type-based approach using particle filters",International Symposium on Computational
Intelligence and Industrial Applications(ISCIIA2004),Dec.20-24,Haikou,China,CD-ROM,
WM2A-2,2004.This paper has been received the Best Paper Award of ISCIIA2004.
2)N.Ikoma,W.Ito,M.Kawanishi,and H.Maeda,"Sensor fusion under unknown associations by
particle filters with clever proposal",IEEE TENCON 2004,Nov.20-24,Chiang Mai,Thailand,
pp.673-676,2004.
3)N.Ikoma,Y.Miyahara,T.Uchino,and H.Maeda,"Tracking of feature points in dynamic image with
classification into objects and 3D reconstruction by particle filters",Proc.of International
Workshop on Fuzzy.Systems & Innovation Computing 2004(FIC 2004),Hibikino,Kita-Kyushu,
Fukuoka,Japan,June 2-3,pp.320-325,2004
4)N.Ikoma,T.Uchino,and H.Maeda,"Tracking of Feature Points in Image Sequence by SMC
Implementation of PHD Filter",Proc.of SICE Annual Conference 2004 in Sapporo,
pp.1696-1701(2004).
5)M.Sakata,N.Ikoma,and M.Doi,"Tracking of fingers in dynamic image of omnidirection camera
by CONDENSATION algorithm",Abstracts of the 36th ISCIE International Symposium on Stochastic
System Theory and its Applications,pp.3-4,2004.(Proceedings will be published)
6)T.Uchino,N.Ikoma,and H.Maeda,"Tracking of feature points in dynamic image with occlusion
and appearance by SMC implementation of PHD filter",Joint 2nd International Conference on
Soft Computing and Intelligent Systems and 5th International Symposium on Advanced Intelligent
Systems,(SCIS & ISIS 2004),CD-ROM,paper #THP-4-4,2004.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

研究参加者一覧
氏名	所属機関
内野　毅	九州工業大学
川西　正人	九州工業大学
坂田　真秀	九州工業大学
永江　和博	九州工業大学
樋口　知之	統計数理研究所