平成81996)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

8−共研−133

専門分類

5

研究課題名

フラーレン生成過程の統計的手法によるシミュレーション

フリガナ

代表者氏名

ヒラノ ツネオ

平野 恒夫

ローマ字

所属機関

お茶の水女子大学

所属部局

理学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

化学反応における分子の挙動を,原子および分子の振動という観点から反応性理論を展開する。ある分子をモデルとして各原子にランダムな初期速度を与え,モンテカルロシミュレーションを行うことにより最終的な反応の過程および収束を予測することができる。おもに,分子軌道法に分子動力学的な手法を取り込んだDynamic Reaction Path(DRP)のシミュレーションを行い熱反応における振動の重要性を計算化学の立場から統計的手法を用いて考察する。


化学反応における分子の挙動を、原子および分子の振動という観点から反応性理論を展開した。ある分子をモデルとして各原子にランダムな初期速度を与え、モンテカルロシミュレーションを行うことにより最終的な反応の過程および収束を予測することができる。おもに、分子軌道法に分子動力学的な手法を取り込んだDynamic Reaction Path(DRP)のシミュレーションを行い熱反応における振動の重要性を計算化学の立場から統計的手法を用いて考察することを中心として研究をすすめた。
半経験的分子軌道法MOPAC93を利用したDRPシミュレーションを行い不規則型クラスターを経るバックミンスターフラーレン・C60の新しい生成機構を考察する。この生成機構を計算化学の立場から反応過程を理論的に予測することを試みた。
具体的には、12月にISMSPC33S-ISMSP36Sのパラレル計算機を用いて、MOPAC93のDRPルーチンを利用し、モンテカルロシミュレーションを行った。このシミュレーションにおいては統計的な高度な知識が必要とされ、パラレル計算機を用いることが効率的な計算を行うためには必須であり、結果として、このシミュレーションによりC60は熱振動によりその温度で最も安定な球場に収束し、生成されることがわかった。この成果は平成9年1月に行われる第12回フラーレン総合シンポジウム(重点領域炭素クラスター成果とりまとめ会)にて、口頭発表を行った。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

粂田優子、鷹野景子、J.J.P.Stewart、平野恒夫、
半経験的分子軌道法を用いたC60の新生成機構
第12回フラーレン総合シンポジウム 1997年1月14日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

半経験的分子軌道法MOPAC93を利用したDRPシミュレーションを行い不規則型クラスターを経るバックミンスターフラーレン・C60の新しい生成機構を考察する。この生成機構を計算化学の立場から反応過程を理論的に予測することを試みる。具体的には12月にISMSPC33S-ISMSP36Sのパラレル計算機を用いて,MOPAC93のDRPルーチンを利用し,モンテカルロシミュレーションを行う。このシミュレーションにおいては統計的な高度な知識が必要とされ,パラレル計算機を用いることが効率的な計算を行うためには必要であると考えられる。このシミュレーションによりC60は熱振動によりその温度で最も安定な球場に収束し,生成されるものと予想される。この成果は平成9年1月に行われる第12回フラーレン総合シンポジウム(重点領域炭素クラスター成果とりまとめの会)にて,発表の予定である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

粂田 優子

お茶の水女子大学大学院

山下 智志

統計数理研究所