平成152003)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

15−共研−2001

専門分類

1

研究課題名

乱数生成法とその検定の研究

フリガナ

代表者氏名

タカシマ ケイゾウ

高嶋 恵三

ローマ字

Takashima Keizo

所属機関

岡山理科大学

所属部局

理学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

確率・統計理論の応用として重要なMonte Carlo法などのコンピューター・
シミュレーションの道具として不可欠な擬似乱数並びに、統計数理研究所の所有する物理
乱数等のランダムネスについてその検定法などを研究した。
 従来からのM系列擬似乱数、線形合同法などの生成法に加え、浮動小数点数の演算
の繰り返しによる、桁落ちの現象を利用した擬似乱数生成法についても、その生成法
の効率化や高速化などを理論的に、また計算機プログラミングの面から改良法につい
て研究した。特に、生成法の理論的側面からの強化として、1次元力学系におけるエ
ルゴード理論の成果の応用を試みた。具体的には、桁落ちに現象をより単純なモデル
に置き換え、力学系の議論の適用を容易にした。その上で、エルゴード理論で重要な
道具である、Perron-Frobenius作用素の理論を適用できるよう工夫した。そして、
Perron-Frobenius作用素を計算した。この研究に基づく理論的結果は今後より深く研
究する必要があり、次年度以降の研究課題として残されている。
 なお、統計数理研究所の大型計算機に組み込まれた物理乱数生成装置に対するラン
ダムネスの統計的検定については、従来から部分的な検定を行い、その結果を仮設の
HPにまとめていたが、平成15年12月の計算機の機種変更に伴い、これらの結果は
意味を失った。そのため、後続の計算機に対する検定は次年度以降の課題として残さ
れた。
 また、この研究の副産物として、M系列擬似乱数の理論的背景である、有限体の理
論を応用して、初等整数論の重要な話題である、循環小数についての新しい知見を得
た。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

谷口礼偉,吉川稔:銀行テラー端末システムの簡易シミュレーショ
ン。三重大学教育学部研究紀要,第54巻(自然科学)(2003),
39-46。
研究集会「カオスと関連した力学系の数理物理」
文部科学省科学研究費補助金 基盤(B)「撞球系をモデルとした力学系・カオス・フ
ラクタルの大域解析的研究」(研究代表者:久保 泉)
世話人:久保 泉(広島工業大学)・田崎 秀一(早稲田大学)・盛田 健彦(広島大学)
[会場]広島工業大学20号館604号室
[日程]2003年9月2日(火)14:00〜9月4日(木)12:00
9月4日(木)
10:00--10:50 谷口 礼偉 氏(三重大学)
非再帰型擬似乱数生成時に現れる[1,2]□[1,2]写像について
高嶋惠三・内藤有理:循環小数と素体の乗法群について。岡山理科大学紀要、第39号 A、pp.27
-33,2003

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

上田 澄江

統計数理研究所

谷口 礼偉

三重大学