平成41992)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

4−共研−41

専門分類

4

研究課題名

追跡調査に関する方法論の開発

フリガナ

代表者氏名

ナオイ アツシ

直井 優

ローマ字

所属機関

大阪大学

所属部局

人間科学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

長期間の時間を隔てた標本に対して、追跡調査を実施する際の方法論を、具体的な調査例を用いて実験研究する。問題としては、生存標本の確認、流出・死亡している場合には、親族等の確認、および流出先の確認を行なう。標本を確定した上で、パネル調査、または後継者の調査を実施する。


37年余といった長期間の時間を隔てた標本に対して、追跡調査を実施する際の方法論を、1955年に実施された調査を取り上げて検討し、標準的な調査法を開発することを目的とした。
対象者は、1955年当時、無作為に抽出された20−69歳の成人男性であるから、1985年では、すべて50歳以上の中高年者である。したがって、すでに死亡した者および他地域に移動した者が少なからず存在していることが予想された。しかし、住民台帳および住宅地図により、少なくとも対象者であった者の後継者と予想される住民および住居は、かなり把握可能なことが知られた。
実際、対象者本人の43%が生存し、37%が30年以上前と同じ住所に引き続き生活していた。他の地域に転出していた者は、5%にすぎなかった。既に死亡していた者は32%であり、生存してはいるが、転出先が不明な者は5%であった。したがって、調査時点で調査不能理由のうち、死亡・該当者見当たらず・不明・転出先不明については、調査不能であるがこれらを除く調査可能サンプルについては、有効回収率は80%近くになることが認められた。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

1955年に日本社会学会調査委員会は、統計数理研究所と共同して、「社会階層と社会移動全国調査」を実施した。その際に、岩手県旧長坂村において、精密調査を実施した。幸いにもそのデータは、統計数理研究所に保管してあることが判明した。この精密調査は、岡山県御津町においてもなされ、そのデータも統計数理研究所に保管してあったため、1985年に追跡調査を代表者が鈴木達三教授の協力を得て、実施した。今回は前回の試行をさらに洗練した技法として開発するものである。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

鈴木 達三

帝京平成大学