平成71995)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

7−共研−63

専門分類

7

研究課題名

疫学研究におけるリスク評価のためのプログラム・システムの開発

フリガナ

代表者氏名

タカギ ヒロフミ

高木 廣文

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

調査実験解析研究系

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

疫学研究では,特定の疾病に対する要因の影響を適切に評価する必要がある。層別化した分別表からリスク比,リスク差,オッズ比などを求めることは,疫学研究の基本的な方法の一つである。しかし,そのためのプログラム・システムの開発は不十分である。本研究では各種のリスク評価の方法を検討し,実用的なプログラム・システムを構築することを目的とする。


疫学研究では,疾患への罹患または死亡などの原因となると考えられるさまざまな要因を適切にそのリスクを評価することは,疾患予防の面から極めて重要である。したがって,その目的に適した統計学の手法を開発すると同時に,実際面でも使用できるプログラム・システムは必須である。一方では,疫学調査では,質問紙や通常の血液検査など極めて多数の変数についてデータを収集する。したがって,それらのデータの保存・管理・解析などが一連の流れとして,簡単に行えないようなシステムでは役に立たないといえる。
これまで,統計パッケージの開発は主にMS-DOS上で動くように,N88BASICやQuick-BASICを用いて開発してきた。しかしながら,現在はMS-Windowsがパーソナルコンピュータの動作環境としては一般的になってきた。このため,我々も開発言語をWindowsに対応するものとするために,Visual-BASICに変更する準備を行っている。基本的な計算プログラムに大きな変更はないが,オブジェクト指向言語なので,インターフェース部分に時間がかかり,平成7年度では,基礎的な統計手法の部分のみの移植を行ったのみであった。
今後は,データ編集部分,グラフィック関係,多変量解析関係の移植を行い,より簡単に疫学調査データの保存からリスク評価までが行えるシステムを開発する予定である。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

これまで,層別四分表に関する共通オッズ比の近似的な推定方法,および正確な推定方法,および正確な推定方法に関するプログラムを開発した。さらに,それらの信頼区間を構成するためのプログラムシステムなどを作成した。また条件付きロジスティック・モデルによるリスク評価のためのプログラムも整備した。さらに,グラフィックスによるデータ解析を容易にするためのツールも開発した。平成6年度では,尺度構成のための信頼性分析のための方法のプログラミングを行った。また,実行時の計算速度の向上と異機種間の移植可能性を高めるために,プログラム言語を変えてシステムの作成を試みた。平成7年度は,リスク評価に関連する統計学的な手法の基礎的な開発・研究を行うとともに,マンーマシンインターフェイスを考慮した,データ解析のためのシステムを構築するための,基礎的な研究を継続して行う。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

佐伯 圭一郎

大分県立看護科学大学

佐藤 俊哉

統計数理研究所

中井 里史

横浜国立大学