昭和621987)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

62−共研−33

専門分類

4

研究課題名

老人の精神的健康に関する統計的研究

フリガナ

代表者氏名

ハヤシ フミ

林 文

ローマ字

所属機関

東洋英和女学院大学

所属部局

人間科学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

老人性痴呆の発生要因として,社会的環境(家庭,地域,文化)及び本人の生活態度がどのようなものであるか,社会調査を通して探究する。


前年度に引続き三鷹市において行った高齢者調査の結果の分析を進めた。この調査は,老人性痴呆の原因には医学的なもののほかに社会環境,家族環境などの生活環境や本人の考え方生き方が関係していると考えられること,また,老人性痴呆には到らなくても社会生活に適応できない老人があり,これらと比較して高齢を快適に過ごすことのできる人々の間にどの様な生活タイプの差があるのか,これらのことを探るために行われたものである。第二次の本調査は健康についての家族調査と本人面接調査である。専門医による診断調査が実行不可能になったため,家族調査における日常生活上の症状項目から老人性痴呆の予備的診断(痴呆の疑いの程度−D段階)を作成し,これと本人調査の回答との関連を見ていった。
多くの項目で年齢による差が大きく,その差が性別により異なるという生活の様相が浮かびあがっている。第二次調査には,第一次調査の結果から対象者を痴呆の疑いのある人々を含むと思われる程度によって三つの群に分け,群毎にサンプリングウェイトを変えてサンプルを抽出している。この群別による差も大きい。また,D段階を外的基準に数量化II類によって諸要因からの判別予測を行ったところ群別に効いている要因が異なる事がわかった。さらにパタン分類により諸項目への回答から老人の型を分けると,無回答グループ,不満グループ,満足グループが大きく分かれるが,その間の多少不満のグループは過去に重きがある要因と共に現れるのが注目された。
今後,痴呆との関連の問題および,このような意味からストレスと健康との関係についてさらに研究を進めたい。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

1.「老人の精神的健康に関する統計的研究」報告書,62.3
口頭発表
1.高倉節子,林文:老人の精神的健康に関する統計的研究I,行動計量学会,62.8
2.林文,高倉節子:老人の精神的健康に関する統計的研究II,行動計量学会,62.8


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

上記目的のため59年度60年度に三鷹市の70歳以上に対して調査を実施し,データを分析してきた(59年度専売公社,60年61年度喫煙科学研究財団の研究補助及び統数研60−共研−36による)。
62年度は61年度の郵送による追跡調査を加え,分析をつづける。59年度より同じメンバーで統計数理研究所のコンピューターを使って分析をすすめてきており,ひきつづきコンピューターを使用して研究をつづける必要がある。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

高倉 節子

東京国際大学

林 知己夫

統計数理研究所

山岡 和枝

帝京大学