平成31991)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

3−共研−62

専門分類

7

研究課題名

細胞分化過程のコンピュータシミュレーション

フリガナ

代表者氏名

アリタ セイザブロウ

有田 清三郎

ローマ字

所属機関

関西医科大学

所属部局

教養部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

数多い生命現象の中でも,とりわけ基本的でかつ興味深い細胞分化のメカニズムを解明するため,単純な多細胞生物(Pleodorina)を題材に選び,過去からの履歴情報と現在の空間位置情報を基に,細胞分化の数理モデルを作り,コンピュータシミュレーションによって,細胞分化過程解明の糸口を見い出したい。


数多い生命現象の中でも、細胞分化のメカニズムは基本的でかつ興味深い課題であるが、それらを数理的に解析する方法や、コンピュータによる解析手法が少なく、統計数理研究所との共同研究が必要とされていた。
本研究の目的は、単純な多細胞生物(pleodorina)を題材に選び、過去からの履歴情報と現在の空間位置情報を基に細胞分化の数理モデルを作り、コンピュータシミュレーションによって細胞分化過程解明の糸口を見いだすことであった。
本年度は、当初の研究計画に基づき、(1)pleodorinaの培養により実験データ(Reproductive cell とSomatic cellの構成比率等)を収集した。(2)これらの実験結果を基に、細胞分化の数理モデルを構成した。(3)また細胞分化過程をどのようなコンピュータシミュレーションによって記述するかの検討を行った。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

美祢弘子、”Pleodorina californicaにおける細胞分化”、川崎医療福祉学会誌、1、 107-114頁、1991 年


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

今回,研究の題材としたPleodorinaは中腔の球状colonyを形成する緑藻の一種で,細胞は大型で細胞分裂能力を有するReproductive cell(R−cell)と小型で細胞分裂能力を欠いたSomatic cell(S−cell)の2種類で構成されている。Colonyを構成する細胞数は出発細胞のR−cellの成熟度に依存して,2,4,8……,128と分化する。このR,Sの分布状況と構成割合の比率は研究者から強い興味が持たれている。我々はこのR−cellとS−cellについて過去の履歴を記した系譜情報,空間の位置情報等の仮説を設け,細胞分化における数理モデルを構成する。次にコンピュータシミュレーションによってこの細胞分化過程を記述し,実際の培養による実験データと比較検討し,この数理モデルを検証する。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

種村 正美

統計数理研究所

美祢 弘子

川崎医療福祉大学

米田 正也

川崎医科大学