平成272015)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

27−共研−4302

分野分類

統計数理研究所内分野分類

e

主要研究分野分類

3

研究課題名

がん分野の予測モデル構築と日本人におけるがん発生における将来推計

重点テーマ

次世代への健康科学

フリガナ

代表者氏名

タナカ サチコ

田中 佐智子

ローマ字

Tanaka Sachiko

所属機関

滋賀医科大学

所属部局

医療統計部門

職  名

准教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

60千円

研究参加者数

3 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

研究目的
肝炎ウィルスは肝がんをはじめ、肝炎・肝硬変などの肝疾患の発生に最も強く影響するリスク要因である。従って、集団における肝疾患の発症率を抑える(あるいは、個人の肝疾患の発生を予防する)ためには、肝炎ウィルス陽性者の早期発見と早期治療が重要な予防手段となる。近年、自治体や医療機関を中心に、肝炎ウィルス検査の検診(受検)、病院での要精査(受診)、肝炎の治療(受療)が推進されてきた。一方で、肝臓がんを予測する統計モデルは予防研究の枠組みからいくつか先行研究がみられる。しかし、重要な予防手段である受検・受診・受療を考慮した予測モデルはない。本研究では、日本人における肝炎ウィルスに起因する肝疾患の疾病予測モデルを構築することを目的とする。具体的には、受検、受療、受診をモデルに含めた、肝炎ウィルス曝露から肝がん発生までの予測モデルを作成し、受検・受療・受診に関してシナリオを変更することで、肝がん発生がどのくらい予防できるか(予防政策の評価)、費用効果がどれくらいになるか(費用効果の評価)について検討を行なう。同時に、肝疾患予測モデルに即した、脱落メカニズムを考慮した多段階遷移モデルを提案する。理論と計算により、推定バイアスと分散の観点から評価を行なう。また、より長期的推移の検討として、飲酒等の肝がんのリスク因子のマクロ変化と肝臓がんへ及ぼす影響を検討する。
成果
現在、(1)肝細胞がんの罹患と肝がん死亡の全国推計値を用いて、各疾患の年齢・時代・コホート効果を記述し、将来推計を行なった(2)次に、肝疾患予測モデルを作成するための準備段階として、新規多段階遷移モデルの提案とデータ収集、検健診・検査・治療を含む肝疾患情報の収集を行ない、現在データベース作成中である。
今後は、(1)の結果の成果発表、(2)のデータ構築、解析をすすめる。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

現在論文作成中であり、報告できる成果物はなし

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研究参加者一覧

氏名

所属機関

船渡川 伊久子

統計数理研究所