平成142002)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

14−共研−2046

専門分類

7

研究課題名

植物の形態、特に葉の光測定による簡便化と利用

フリガナ

代表者氏名

ヒラタ  ユタカ

平田 豊 

ローマ字

YUTAKA HIRATA

所属機関

東京農工大学

所属部局

大学院農学研究科

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

研究計画は以下のようであった。
 従来から進めてきたフーリエ楕円による植物の形態、特に葉の形態、評価に関する研究を迅速、簡便化しさ
らに植物分野へ利用拡大していくため、その光計測の確立に向けて、圃場や野外での測定が容易で、データ
収集記録上高性能を持つ装置の開発と利用をめざす。
 さらに、これらのため、実際育成したトウガラシ、柑橘などの簡単な構造を持つ葉を利用してそれらへの
適用可能性をしらべる。
 これを実現するために、まずこれらの材料となるトウガラシ接「木雑種系統」G、および両親系統Y、SPの
相半交雑と雑種世代F2を作り、東京農工大学圃場で約1000個体展開し、その葉形を含む外部形態諸形質
ならびにその制御を明らかにしていくための、分子マーカを探索するためのRAPD分析を行った。これをもと
に葉の形態を数理統計的に解析することをめざした。葉形の場合各個体から平均的にデータをとるため5枚
をCDカメラで取り込み、それを解析することとした。材料は平田と伊藤が主として育成いくし、葉形調
査に際しては、田村と鄭が協力する形で行った。
 その結果、CDカメラの葉形測定は若干感度が落ち、また拡大にはそれ自体では十分ではなく、特殊な拡
大レンズや装置をつけることが望ましいことが分かった。しかし、当面形だけで解析する場合には、現在の
CDカメラで目的をほぼ達成できることが分かった。これらのデータはトウガラシだけでなく、カンキツの
ような全縁葉であるものでは同様に有効であることが分かった。しかも、ヘテロフィリーのような発育解剖
を要するものでは、同一サンプルを非破壊的に調査できるので、従来の葉の切除、コピー法で行った方法に
比べれば、時間の節約と連続化できることが分かり、有効であることが分かった。しかし、ダイコンや切れ
込みを持つ様な形状の葉や形態を分析する場合、今回のフーリエ楕円法ではまだ解析が明確でない場合が多
く、改善か新しい方法が必要であると思われた。これらの検討のため、筑波にて二宮、岩田、平田と検討を
こない、次年度鄭の方法との検討を試みることとした。さらに、データ入力後の遺伝分析、数値解析を結合
することとした。
 また、解析法では鄭がフーリエ楕円によらない葉の形態の解析ソフトを作り出した。これを用いて、従来
の方法と比較を現在行っている所である。いずれか有効な方法に変換するつもりである。葉の形態は究極的
には比較的簡単な遺伝子支配夜と見なされ、その連鎖マーカーを探索している。これまで、約200個のラ
ンダムプライマーを探索性し、20程特異的マーカーが見いだされ、これと系統、形質との連鎖を解析中で
ある。この面からも形態解析と分子メカニズム解析が結合できる可能性が痛惜できるものと期待されるが今
後の課題である。これらの形態解析を成果は、他の解析とともに、国際誌、国内外の学会で発表されている。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Li.Chen,Y.Hirata,Z.Minhgfan,Cao Jin-Shu,and Z.Chen Xiao Qubin,2001.Efficient plant
regegneration from cotyledpn-derived proplasts of cytoplasmic mele-srelie tuber mustard
(brassica juncea Cross.Var.tumida Tsen et Lee).Acta Phytophysiologoca,27:437-440.
,
.J.Zhou,Y.Hirata,Ill-Sup Nou,H.Shiotani and T.Ito.Interacction between
different genotypic tissues in citrus graft chimeras.Euphytica,126:355-365.
肖秋濱・陳莉萍・野口貴・平田豊、2002.ダイコンと属間キメラの栄養繁
殖世代後代で認められた新しいタイプの出現とその特徴.育種研究、4巻:
59-66.
H.-T.Kim,D.-Y.Shin,H.-S.Hwang,J.-Hwang,Y.-UK Shin,Y.Hirata and I.-S.
Now.2002.Determination of S-genotype of Korean-bred Pyrus pyrifolia strains
based on PCR-RFLP.J.Korean Soc.Hort.Sci.,43:113-119.
H-H.Kim,Y.Hirata and I-S.Nou,2002.Determination of S-genotypes of pear
(Pyrus pyrifolia)cultivars by S-RNase sequencing and PCR-RFLP.Mo.Cells.13:
444-451.
Vo Cong Thanh and Yutaka Hirata.2002.Seed storage protein diversity of three rice
species in the Mekong Delta.Biosphere Conservation,4:59-67.
Vo Cong Thanh,Tran Ngoc Nguyen,Yutaka Hirata and Nguyen Van Thuong 2002.
Characterization of antenna protein diversity of prawn(Macrobrachium)in the Mekong Delta River.
Biosphere Conservation(in press)
Vo Cong Thanh,Dai Thi Xuan Trang,Liu Shan Shan and Yutaka Hirata 2002.
Evaluation by screening of 7S in soybean β-subunit deficiency and its inheritance
on genetic resource of soybean(Glycine max.L.)Biosphere Conservation,(in press)
Vo Cong Thanh,Dai Thi Xuan Trang,Liu Shan Shan and Yutaka Hirata 2002.
Evaluation by screening of 7S in soybean β-subunit deficiency and its inheritance
on genetic resource of soybean(Glycine max.L.)Biosphere Conservation,(in press)
その他上記の内容を
国際ソバ加工学会(筑波)2報、EUCARPIA トウガラシの遺伝育種学会(トルコ)2報、第16回国際
園芸学会(カナダ、トロント)で5報口頭及(6報)び、ポスター(7報)で報告し、近くProceedings
の中で4報受理され、印刷発表される。

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

岩田 洋佳

農業研究機構・森林総合研究所

田村 義保

統計数理研究所

二宮 正士

農業研究機構・中央農業総合研究センター