平成91997)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

9−共研−54

専門分類

5

研究課題名

複雑系の相転移のシミュレーション

フリガナ

代表者氏名

オノ イクオ

小野  郎

ローマ字

所属機関

日本女子大学

所属部局

理学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

1. 液晶の相図を分子動力学を用いて調べる.2. ヘモグロビンの磁性と飽和曲線の模型の研究.3. ぬれ転移の秩序変数に関する数値的研究.


ぬれ転移を判定するのに有効な方法を考察した。多成分の相よりなる系の界面自由エネルギーは、各成分間ごとに形成される界面からの寄与の総和となる。当方法では、その各成分間ごとの界面自由エネルギーの寄与を抽出して計算することを行う。
これによって、ぬれ・乾き状態の判定に関する曖昧さが無くなる。さらに判定に用いるパタメタは非常に簡単に導くことができる。そしてパラメタの有限サイズ・スケーリングを理論的に導出した。
この理論を適用し、正方格子 Blume-Capel 模型のぬれ転移の相図を決定した。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

小野 いく郎・八幡 尚
剛体球鎖による液晶の相転移のシミュレーション
物性研究 vol.70 no.1(1998)
小野 いく郎
"分極ラテックス粒子系の凝集のシミュレーション"
第58回応用物理学会学術講演会 講演予講集3(1997)1167(於 秋田大学)
櫻井由樹子・八幡尚・小野いく郎
"剛体球鎖による液晶の分子動力学シミュレーション ?"
日本物理学会秋の分科会講演概要集 52-2(3)848 1997(於 神戸大学)
谷口史子・小野いく郎
"分極ラテックス粒子系の凝集のシミュレーション ?"
春季第45回応用物理学関係連合講演会 講演予稿集(於 東邦大 船橋)
山縣 敦
日本物理学会 第52回年会 1997年春 名古屋 名城大学
加園 克己
Blume-Capel模型のぬれ転移の相図。日本物理学会。1997年秋 神戸大。
加園 克己
かごめ格子上のダイマー問題の解。日本物理学会。第53回年会 1998年春 日大。

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

1. 棒状の剛体分子の集団が互いの衝突による相互作用で,体積排除効果のみで等方相,ネマチック相,スメクチック相,コラムナー相などの相が密度の関数として決まるか調べる.2. ヘモグロビンは酸素の運搬を担うタンパク質である.酸素分子と結合するのは鉄イオンで4個含まれている.その鉄イオンは結晶場を受けて高スピン状態と低スピン状態をとる.この磁性と酸素の結合を関係付ける模型を作る.3. ぬれ転移を判定するのに有効なパラメタを考案して,その有限サイズ・スケーリングはどうなっているのかを調べる.以上の項目に関して,そのプログラムの開発と,スーパーコンピュータ規模のシミュレーション,数値計算及び結果の統計科学的検証が必要である.そのためには貴研究所の田村氏の協力が不可欠である.


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

加園 克巳

東京慈恵会医科大学

田村 義保

統計数理研究所

山縣 敦

日本女子大学