平成282016)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

28−共研−2048

分野分類

統計数理研究所内分野分類

g

主要研究分野分類

1

研究課題名

圏論的視点からの量子ベイズ統計理論の研究

フリガナ

代表者氏名

タナカ コウヘイ

田中 康平

ローマ字

Tanaka Kohei

所属機関

信州大学

所属部局

経法学部

職  名

助教

配分経費

研究費

40千円

旅 費

25千円

研究参加者数

3 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究は統計学の根幹となる確率論を圏論的に解釈し,応用を目指すものである。言い換えれば,確率空間,より一般に測度空間上の射を定式化し,圏の構造を導入するものである。古典的には測度構造を保つ可測写像が知られていたが,それでは条件が強すぎて,例えば包含写像などの普遍的な射を含まないデメリットがあった。

我々はノルム空間の有界作用素の定義を参考に,新たな射の構造を定式化した。また,その圏構造の言葉を使い,リース・マルコフ・角谷の表現定理を圏同値に拡張し,量子測度空間との関係を記述した。さらに条件付きの測度を包含写像の射により,圏の中で操作として定式化し,量子の世界での対応を探った。上記の双対性を利用して,量子測度空間ではイデアルによる商を考えることが圏論的にうまく対応しており,可換な場合は古典的な条件付きに一致することを示した。

また,この圏構造は絶対連続性とも密接に関わっており,Radon-Nikodym 導関数の対応を関手として捉えるのに適している。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

学会発表:「圏論的視点からの量子確率論について」量子システム推定の数理10/27 京都大学数理解析研究所
プレプリント:「Classical and quantum conditional measures from a categorical viewpoint」 (with H. Motoyama), arXiv:1412.5756v2.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

開催していない

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

元山 斉

青山学院大学