平成19（2007）年度　一般研究２実施報告書

課題番号	19−共研−2035		分野分類			統計数理研究所内分野分類			e
						主要研究分野分類			6
研究課題名	数量化III類を用いた大規模英語コーパスの言語的尺度の解釈とその検証
フリガナ 代表者氏名	タカハシ　カオル 高橋　薫				ローマ字		Kaoru Takahashi
所属機関	豊田工業高等専門学校
所属部局	一般学科
職　　名	教授
配分経費	研究費	40千円		旅　費		35千円		研究参加者数		3　人

研究目的と成果（経過）の概要

長きにわたる本研究をひとことで述べれば、１億語からなるイギリス英語の文章資料集、the British National Corpus（以降BNC）を言語的レジスターの観点から、多種の言語特徴の頻度の差異を多変量統計解析法により解析して、そこに出現する尺度を語用論の観点から社会言語学的に解釈することにある。各語彙に付加されている文法範疇標示（タグ）の出現頻度に注目し、昨年度は、特徴的なタグを特定後に、関連する語を抽出して、styleの具体的な概念である、formal/informal, prestigious/vernacular, habitualといった指標との関連を見出すことができた。本年度はその成果を集大成として、ランカスター大学のPhD論文としてまとめ、口頭試問を経てPhD取得となった。
たとえば（下図を参照）、６つの年齢階層と男女別の１２個のサブコーポラからなる文法範疇標示の頻度分析では、最高齢の群（６０歳以上）の男(6-1)・女(6-2)が最もprestigious、対極では、１４歳以下の男(1-1)・女(1-2)の群で最下位の社会階層でもっともvernacularであると解釈され、それぞれに近接した文法事項が関連する特徴と見なされる。（数量化III類を使用）。

当該研究に関する情報源（論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等）

論文
・ Typology of Registers in the British National Corpus: Multi-Feature and Multi-Dimensional Analyses -- {Kaoru Takahashi, Ph.D thesis, Department of Linguistics and Modern English Language Lancaster University (2006)}
・ A study of Text Types in the British National Corpus {Kaoru Takahashi, CLARITAS Vol 19 (2005)}
・ A study of Register Variation in the British National Corpus {Kaoru Takahashi, Literary and Linguistic Computing Vol 21, No 1(2005)}
報告書
・　英語コーパスを利用したコロケーションの成立過程に関する統語論的研究（基盤研究 ( C )( ２ )）研究成果報告書、研究代表者：神谷昌明
・ 統計数理研究所共同研究リポート162英語コーパスにおけるテクスト類型論 ?多変量統計解析法による?
・ 平成13年度〜平成15年度科学研究費補助金（基盤研究 ( C )( 1 )）研究成果報告書）
　　応用言語学的視点による英語コーパスのテキストジャンルの再考
学会発表
A Study of Register Variation in the British National Corpus Takahashi, Kaoru ICAME 23 (Verona, Italy) 2004年５月
A study of Text Types in the British National Corpus　 高橋　薫 愛知教育大学英語英文学会第１２回研究発表会 2005年9月
Stylistic characterization of register categories in the spoken part of the BNC Takahashi, Kaoru PALA 2007 (Osaka, Japan) 2007年8月
BNCの話し言葉を分析して与えられるスタイルの解釈について 高橋　薫 英語コーパス学会東支部第２回講演会 2007年10月

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研究参加者一覧
氏名	所属機関
山下　淳子	名古屋大学
吉野　諒三	統計数理研究所