平成282016)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

28−共研−2059

分野分類

統計数理研究所内分野分類

h

主要研究分野分類

3

研究課題名

修正IDIの理論的性質と応用に関する研究

フリガナ

代表者氏名

ハヤシ ケンイチ

林 賢一

ローマ字

Hayashi Kenichi

所属機関

慶應義塾大学

所属部局

理工学部

職  名

講師

配分経費

研究費

40千円

旅 費

4千円

研究参加者数

2 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究の目的は,修正IDIの性質を明らかにし,その応用可能性を探ることである.バイオマーカーの疾病やリスクに対する予測能力を正確に評価することは,重要な統計的課題である.2つの二値応答回帰モデルに対する比較指標として近年よく利用されるNRI(net relassification index)とIDI(integrated discrimination improvement)は,2つのモデルが同等の予測力をもつ場合においても,それらの間に差があるという結果を下しうることが示されている(Hilde, Gerds, 2013).
研究参加者らが提案する修正IDIは,IDIを基にした2モデル間の評価指標である.これは,Bayesリスク一致性だけでなく,IDIにはないFisher一致性を有する.修正IDIはpower-crossエントロピーと関連する量であることから,power-IDIと名付けられた.また,NRIはBayesリスク一致性をもたないことから,これに関する同様の修正が難しいことも示し,先行研究(Hilde, Gerds, 2013)の主張を支持する理論的根拠を与えた.さらに,power-IDIを実際の医学における臨床研究データに適用し,その有用性を示した.
これらの成果は,研究代表者を筆頭著者とした論文としてまとめ,学術論文誌に投稿された.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Hayashi, K., Eguchi, S. "Modification of integrated discrimination improvement by beta divergence", The 28th International Biometric Conference, Victoria, Canada, 2016.
林賢一,江口真透 「Integrated discrimination improvementの問題点とその修正」, 統計関連学会連合大会,石川,2016年9月.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

研究会の開催はない.

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

江口 真透

統計数理研究所