平成242012)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

24−共研−2063

分野分類

統計数理研究所内分野分類

f

主要研究分野分類

2

研究課題名

携帯端末上の統計グラフィックスに関する研究

フリガナ

代表者氏名

フジノ トモカズ

藤野 友和

ローマ字

Fujino Tomokazu

所属機関

福岡女子大学

所属部局

国際文理学部

職  名

講師

配分経費

研究費

40千円

旅 費

118千円

研究参加者数

4 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

○研究概要・目的
統計グラフィックスは、マウス操作による個体の選択(brushing)、強調表示(highlighting)、複数のグラフ間のリンク(linking)などの対話的機能を持った統計グラフである。これはもちろん計算機上に実現されるものであるが、一方で、スマートフォンやタブレット端末などの各種携帯端末の利用が近年、急速に拡大している。このような環境において統計グラフィックスを実現することは、特にデータを扱う現場における生産性向上に寄与できると考えられる。一般の計算機環境と携帯端末の環境で大きく異なるのは、画面の大きさ、ストレージ容量と、タッチ操作の有無である。従って、計算機上で実現された統計グラフィックスをそのままの形で携帯端末上に実現することは難しく、携帯端末における利用に最適化された形のものを新たに開発する必要がある。
本研究では、携帯端末における統計グラフィックスについて、
 (1) 開発環境・方法やデータベースとの連携についての検討
 (2) 対話的機能(タッチ操作や画面サイズによる制限など)についての検討
 (3) 携帯端末の特性を生かした新たな統計グラフィックスの考案
 (4) プロトタイプの開発
を行う。

○研究経過
平成24年度は、(1)と(4)について、重点的に研究開発を進めた。本研究では、サーバー側で統計データを配信・分析できるシステムを前提とし、その中で提供する統計グラフィックスをどのように提供するかについて検討を行う。まず、ユーザーインターフェイスについては、携帯端末と一般のデスクトップPCの両方で快適に利用できるよう、jquery-mobileを採用した。サーバー側の統計エンジンおよび、データベースとの連携についてはRを利用した。この環境で、人口動態データに関するコロプレス図や、独自に開発した順位比較プロットなどのインタラクティブグラフィックスを携帯端末上で実現するプロトタイプを開発した。表示や拡大表示については、実用上十分な成果が得られたが、対話的操作については、意図しない動作をすることがあるなどの課題もみられた。今後は、このような点を解決しながら、より実用性のあるものにしていく予定である。




 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Fujino.T and Yamamoto.Y, "Statistical Graphics for Spatial Clustering based on Inter-temporal Variation", Analysis and Modeling of Complex Data in Behavioural and Social Sciences (JSC-CLADAG12), Anacapri, Italy
藤野友和(2012)「Rによる人口動態・健康指標分析システムの構築」2012年度統計数理研究所共同研究集会 「データ解析環境Rの整備と利用」
藤野友和(2012)「福岡県における自殺死亡データの分析と可視化」第2回 自殺リスクに関する研究会

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

飯塚 誠也

岡山大学大学院

中野 純司

統計数理研究所

山本 義郎

東海大学