平成272015)年度 共同利用登録実施報告書

 

課題番号

27−共研−14

分野分類

統計数理研究所内分野分類

g

主要研究分野分類

1

研究課題名

接合関数の理論と応用

フリガナ

代表者氏名

ツカハラ ヒデアツ

塚原 英敦

ローマ字

Tsukahara Hideatsu

所属機関

成城大学

所属部局

経済学部

職  名

教授

 

 

研究目的と成果の概要

複数のリスク要因間の相互依存関係をモデル化する道具として,近年では接合関数(コピュラ)がしばしば用いられる.この接合関数に対して推定・検定を行う際に,統計量の標本分布を推定するためには何らかのリサンプリング法が必要となる.

リサンプリングを行う対象分布として,離散な経験接合関数の一種の平滑化とみなせる経験ベータ接合関数を提案し,これがBernstein経験接合関数の特別な場合であることを示した.さらに,Bernstein経験接合関数が真の接合関数となるための必要十分条件を導出し,Bernstein経験接合関数の漸近挙動を詳しく分析した.また,様々な接合関数を想定したシミュレーションにより,経験接合関数,ベータ経験接合関数と次数をMISE最小化の意味で最適化した経験Bernstein接合関数という3つの推定量の有限標本挙動を比較・分析した.

2015年6月23日,統計数理研究所にて研究集会"International Symposium on Dependence and Copulas 2015"が開催されたが,そのオーガナイザーの一員として,海外からの著名な講演者A. McNeil, J. Segers, H. Joeの招待に尽力した.この研究集会は接合関数の理論と応用の重要性を日本国内の研究者間にも周知するという点で非常に有意義なものであった.