平成71995)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

7−共研−103

専門分類

9

研究課題名

リモートセンシングデータの分類に関する統計的解析

フリガナ

代表者氏名

ニシイ リュウエイ

西井 龍映

ローマ字

所属機関

広島大学

所属部局

総合科学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

6 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

人工衛星からマルチスペクトルデータにより土地利用の分類を高精度で行うことを目的とする。具体的には,平成6年度からの継続研究として, 1.他のバンドのデータによる条件付き推測により熱赤外線画像の解像度向上させること。 2.分布型によらず,高速で判別を実行できる2分岐分類法を自動で構成する方法の開発を目的とする。


衛星が登載しているセンサーからのマルチスペクトルデータから地表の土地利用状況を効率よく判別する手法の研究を目的とする.教師データを用いて判別ルールを構成し、どの程度の判別能力があるかで、良さを検証する.今年度の研究成果は以下の通りである.
・3分決定木によるマルチスペクトルデータの判別手法の開発
リモートセンシングデータから土地利用区分を判別するには、線形または2次判別法が等があるが、いずれも高速処理には向かない。ここでは与えられた各変数および2つの変数の組みの1次結合を利用し、高速処理可能な分岐手法による分類法を考察した。各分岐では確信を持って分類するパスと判断を保留するパスを残すという柔軟な分類手法を提案し、その性能を現実のリモートセンシングデータで他の判別手法と比較した.その結果、平均識別率では遜色がないことが示され、また判断を保留することでミクセルの検出に有効であることがわかった。
・判別手法の評価基準の提案
種々の判別手法を比較するための基準として従来、平均識別率や総合識別率があり、また、リモートセンシングの分野ではカッパ統計量が使われてきた。ところがこの基準では分類元のデータと分類先のデータを区別しないという望ましくない性質を持っている。そこでエントロピーに基づく比較基準を提案し、差の比較のための統計量を導出した。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

R. Nishii, S. Kusanobu and S. Tanaka, Enhancement of low spatial resolution image based on high resolution bands, to appear in IEEE Transaction of Geoscience and Remote Sensing Society

M. Yoshikawa, H. Shindo, R. Nishii and S. Tanaka, Fully automated design of binary decision tree for land cover classification, Proceedings of 1995 IEEE International Geoscience and Remote Sensing Symposium, 1921-1923

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

平成6年度では主に画像のノイズの低減のため,高速なスムージング手法について考察してきた。また,2分岐判別法を自動的に構成する手法の研究を始め,ある程度の成果を得ている。それらは国際会議で発表済みおよび発表予定である。本年度はこの手法を種々のデータに応用し,その有効性,高速性を確認する。
次に,熱赤外画像の解像度を改良する方法として,他のバンドが与えられたという条件付き推測が有用である。さらに計算機上で理論を実現し,判別効率を上げることが可能かどうか検証したい。そこで統計数理研究所のこの方面の強力な理論研究スタッフとともに研究する必要がある。また統計数理研究所の良いワークステーション環境を利用して,統計処理や画像化し,研究成果を得る。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

金藤 浩司

統計数理研究所

草信 佐栄子

広島大学大学院

田中 章司郎

島根大学

柳本 武美

統計数理研究所

吉川 雅修

山梨大学