平成202008)年度 一般研究2実施報告書

 

課題番号

20−共研−2030

分野分類

統計数理研究所内分野分類

d

主要研究分野分類

7

研究課題名

犯罪統計データのコウホート分析

フリガナ

代表者氏名

ナカムラ タカシ

中村 隆

ローマ字

Nakamura, Takashi

所属機関

統計数理研究所

所属部局

データ科学研究系

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

50千円

研究参加者数

2 人

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

我が国は,先進諸国の中では例を見ない犯罪の少ない安全な国といわれてきた。しかしながら,近年犯罪情勢は悪化の一途をたどり,安全国家の神話は崩れつつある。人間の生涯において犯罪に至る危険性は,青年期で最も高く,その後加齢とともに減少することが知られているが,近年の高齢者犯罪は高齢者人口の増加を上回る勢いで激増している。また,幼少期に戦争を経験した世代や出生人口の多い世代は他の世代に比べて犯罪に陥る確率が高いとの研究結果もあり,対策の検討が必要である。
そこで,本研究においては,戦後の日本の犯罪統計をコウホート分析することにより,将来,平和で安全な社会を築くために有効な施策のあり方について検討することを目的とする。
平成20年度においては,平成15〜17年度に実施した受刑者人員及び犯罪検挙人員の分析結果,並びに18〜19年度に実施した少年非行検挙人員の分析結果を見直して,総括を行った。
その結果は次のとおりである。
1.1890〜1990年に生まれた世代の中で,男女ともおおむね1930〜1945年の15年幅に
生まれた世代の犯罪者率が最も高い。
2.1883〜1982年に生まれた世代の中で,男女ともおおむね1933〜1942年の10年幅に
生まれた世代の新受刑者率が最も高い。
3.1948〜1995年に生まれた世代の中で,男女ともおおむね1970〜1980年の10年幅に
生まれた世代の非行少年率が最も高い。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

1. 中村 隆(2008).社会の変化の構造を捉える〜年齢・時代・世代効果を分離するコウホート分析の方法〜, 犯罪心理学研究, 第46巻特別号, 243-244.(日本犯罪心理学会,東京都渋谷区:国立オリンピック記念青少年総合センター,2008/10/5)
2. 市川 守(2008).犯罪者率・非行少年率のコウホート分析, 犯罪心理学研究, 第46巻特別号, 245-246.(日本犯罪心理学会,東京都渋谷区:国立オリンピック記念青少年総合センター,2008/10/5)
3. 市川 守,中村 隆(2007). 非行少年率のコウホート分析II, 犯罪心理学研究, 第45巻特別号, 80-81.(日本犯罪心理学会,福島県郡山市:ビッグパレットふくしま,2007/9/1)
4. 市川 守,中村 隆(2006). 非行少年率のコウホート分析, 犯罪心理学研究, 第44巻特別号, 80-81.(日本犯罪心理学会,兵庫県神戸市:神戸学院大学,2006/9/2)
5. 市川 守,中村 隆(2005). 犯罪検挙者率のコウホート分析, 犯罪心理学研究, 第43巻特別号, 92-93.(日本犯罪心理学会,北海道札幌市:北海道大学,2005/8/20)
6. 市川 守, 中村 隆(2004). 受刑者率のコウホート分析(II), 犯罪心理学研究, 第42巻特別号, 78-79. (日本犯罪心理学会, 東京都世田谷区:昭和女子大学, 2004/9/5)
7. 市川 守, 中村 隆(2003). 受刑者率のコウホート分析, 犯罪心理学研究, 第41巻特別号,18-19. (日本犯罪心理学会, 佐賀県神埼町:西九州大学, 2003/9/6)
8. 市川 守, 中村 隆(1992). 犯罪・非行者率に及ぼす時代・年齢・コウホート効果の分析(2), 犯罪心理学研究, 第30巻特別号, 12-13. (日本犯罪心理学会, 東京都文京区:東洋大学, 1992/9/12)
9. 市川 守, 中村 隆(1988). 犯罪・非行者率に及ぼす年齢・時代・コウホート効果の分析, 犯罪心理学研究, 26(2), 12-31.
10. 市川 守, 中村 隆(1988). 犯罪・非行者率に及ぼす年齢・時代・コウホート効果の分析,犯罪心理学研究, 第26巻特別号, 12-13. (日本犯罪心理学会, 東京都世田谷区:昭和女子大学, 1988/9/12)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

開催はありませんでした。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

市川 守

那覇少年鑑別所