平成21990)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

2−共研−86

専門分類

8

研究課題名

知的ユーザー・インターフエイス用言語の開発

フリガナ

代表者氏名

ヨシノ リョウゾウ

吉野 諒三

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

領域統計研究系

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

4 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

最近のコンピュータサイエンスの急速な発展の中で,人工知能の研究成果は,科学の各分野や一般社会生活の中にも浸透しつつある。この中で,統計学でも,この種の新しい研究の萌芽が見られる。本研究では,種々の統計手法とユーザーとを結ぶインターフェイスを構築することを容易にする為のコンピュータ言語の開発を試みる。


本研究の主目的は,種々の統計手法とユーザーとを結ぶインターフェイスを構築することを容易にする為のコンピュター言語の開発を試みることであった。具体的には,カーネギー・メロン大学で開発された人工知能言語OPSと,典型的なサーバー・クライアント型のウィンドウ・システムであるX Window Systemを動かすX toolkitとを適切に統合したシステムを操作する言語を開発した。X Window Systemは,移植性,ネットワーク透過性等の優れた特徴を持っているが,その上での大規模の知的ソフトウェアの開発は容易ではない。本研究の成果として,初期の目標をさらに拡大し,知的CAI,オンラインヘルプ等の高度な知的ユーザーインタフェース機能を必要とするソフトウェアをX Window System上で効率的に開発するためのツールとして,オブジェクト指向ルールベースとXツールキットの機能を統合した知的ユーザーインターフェイス言語を提案できた。この言語の特徴は,他のオブジェクト指向言語同様にデーター,ルールベースのカプセル化と継承による差分的プログラミングができることに加えて,ルールベースを視覚的オブジェクト(widget)に直接対応させることができ,さらにメッセージ制御やリソース制御にインスタンス間の動的生成関係が利用できることである。結果として見通しのよいプログラミングが可能となることが示された。現在までのところ,特定の統計手法を利用する具体例は扱ってはいないが,そのような状況をも想定しながら,ユーザー管理機能等を組み込んだ知的ユーザーインターフェイス・シェルの開発研究に結び付けようとしている。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

〈研究内容〉
カーネギー・メロン大学で開発された人工知能言語OPSと,X Window Systemを動かすX toolkitとを適切に統合したシステムを操作する言語を開発する。さらに,この言語を利用して,インテリジェントCAIや統計パッケーシが利用しやすいものとなるように試みる。
〈共同研究の必要性〉
この種の研究は,通常,膨大な費用を必要とする事が多いが,ソフトウェア開発の専門家である谷本,システム工学の視点から開発すべき言語を評価,考察する高橋,当研究所で各種の統計パッケージ,収集データを利用しやすい吉野,坂元の協力により,最小限の費用で研究を進めることができよう。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

坂元 慶行

統計数理研究所

高橋 和弘

東京工業大学大学院

谷本 敏一

日本デジタルイグイップメント