平成31991)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

3−共研−5

専門分類

1

研究課題名

離散分布とその統計的応用に関する研究

フリガナ

代表者氏名

ヒラノ カツオミ

平野 勝臣

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

統計基礎研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

5 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

離散分布の基礎的,総合的研究を行う。新しい分布の導出,分布間の相互関係,複雑な離散分布の確率関数や積率および確率母関数などの分布の特性量を調べる。これらを利用して母数の推測のための統計的手法を開発し,手法の性質をついて調べる。応用に対しては具体例のあてはめなど事例研究の積み重ねをはかる。


独立ベルヌーイ試行の下で連続した成功が起こるまでの試行数の分布についての論議を発展させた。発展の方向として、(1)独立試行をマルコフ連鎖に拡張した。(2)成功連の数の数え方を変えた。(3)これらの分布の母数の推測について考察した。
0または1をとる確率変数の系が、状態空間が(0,1)マルコフ連鎖で与えられるとき、長さrの連続した 0が起こるという現象をE0, 長さkの連続した1が起こるという現象をE1とする、このときE0かE1のいずれかがはじめて起こるまでの待ち時間の分布、両方が起こるまでの待ち時間の分布とそれぞれの確率生成母関数を陽の形で与えた。また試行数をnとしたときのE1の起こる数の分布の漸化式、確率生成母関数を与えた。連続した事象の数え方を変えても論議した。
この具体的な成果は,Research Memorandum No.419にまとめられている。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

Hirano,k.,Aki,S.,Kashiwagi,N.,and Kuboki,H., On Ling's binomial and negative binomial distributions of order k, Statist. Probab. Lett., 11,1991.
Aki,S. and Hirano,k., Discrete distributions related succession events in a two-state Markov chain, Res. Memo.419,1991.

平野、安芸、柏木、久保木:Lingのオーダーkの二項、負の二項分布について、日本統計学会 1991.7.24
Aki,S. and Hirano,K., Discrete distributions related succession events in a two-state Markov chain, 3rd Pacific Area Statist. Conference, 1991.12.11.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

離散分布に関するレビューを行い,とくに基本となる分布との相互関係を明らかにし,これをもとに分布の拡張や特性量を調べる。これには数式処理を利用することも有効であり,そのもとになる特性量などの漸化式を各研究者が開発をすすめる。研究代表者と3名の分担者はオーダーkの離散分布の研究を上記に沿って組織的に共同で行っており,この分野に於いて中心的な研究成果を得ている。その発展性からもこの研究を継続することが望まれている。今回稲垣氏にも参加を求め統計的推測にもその成果を生かすようにしたい。年に3回セミナーを開催し成果をもちより情報の交換を行うとともに,研究所の計算機,文献等の情報を利用するために共同研究が必要である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

安芸 重雄

大阪大学

稲垣 宣生

大阪大学

柏木 宣久

統計数理研究所

久保木 久孝

電気通信大学