平成152003)年度 共同利用登録実施報告書

 

課題番号

15−共研−8

専門分類

7

研究課題名

アミノ酸サイト別進化速度の比較分子生物学

フリガナ

代表者氏名

ワダ ヤスヒコ

和田 康彦

ローマ字

Wada Yasuhiko

所属機関

佐賀大学

所属部局

農学部

職  名

助教授

所在地

TEL

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研究目的と成果の概要

研究目的
 タンパク質における機能的に重要な部位を探索するために、比較的近縁な
生物種間でアミノ酸サイト別の進化速度を推定する方法について検討し、ミ
トコンドリア遺伝子などについてポジティブセレクションしているアミノ酸
サイトなどの検出を試みる。
成果の概要
 ミトコンドリアは染色体とは別の環状DNAを持つ細胞内小器官で、
ミトコンドリアの機能に関わる重要な遺伝子をコードしており、これらの
重要な機能を持つ遺伝子のアミノ酸配列の進化速度は小さいことが期待
されるが、脊椎動物のミトコンドリア遺伝子において、個々のアミノ酸サ
イト別に進化速度について検討した研究は少ない。そこで、哺乳類および
鳥類のシーケンスデータを使用して、アミノ酸サイト別進化速度について
検討した。PAMLのcodemlsitesプログラムのdiscrete gamma法を用い
て非同義置換と同義置換の比率(dN/dS)について検討したところ、哺乳類
のATP8においてポジティブセレクションしているアミノ酸サイトを発
見した。さらに、哺乳類の系統樹の枝ごとに非同義置換と同義置換の比率
を算出したところ、カバとクジラの共通祖先からクジラへ分岐する枝で大
きなdN/dS比を示すことが明らかとなった。