平成31991)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

3−共研−11

専門分類

1

研究課題名

主成分分析におけるノンパラメトリック検定法の有効性に関する研究

フリガナ

代表者氏名

ウシザワ ケンジ

牛沢 賢二

ローマ字

所属機関

産能大学

所属部局

経営情報学部

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

平成2年度の同研究課題の成果をもとに,さらに充実発展させる。すなわち,主成分分析の固有根及び固有ベクトルに関するノンパラメトリック検定法の信頼性・有効性について,大規模なシミュレーションにより確かめる。


主成分分析における二標本の個々の固有根の同等性検定に関するノンパラメトリック法の有効性をシミューション実験によって確かめた。今年度は、母集団分布として多変量対数正規分布を仮定した場合について研究を行った。固有根の同等性を評価するための検定統計量としては、Ansari-Bradley統計量を利用した。その結果、以下のことが確認できた。(1)全体的な結果として、我々が提案したAnsari-Bradley検定法は、この場合(多変量対数正規分布)にも極めて有効であることが確かめられた。(2)多変量対数正規分布Λ(μ,Σ)(対する多変量正規分布をN(μ,Σ)とする)の場合、この検定法の信頼性に影響を与える母数は、Scale parameterであるΣのみである。(3)しかも、実際的な多くの現象に当てはまるΣの大きさの範囲では、この検定法は十分に適用可能である。この成果は、第59回日本統計学会で発表した。
以上の研究と並行する形で、位置母数が未知でかつ独立でないサンプルをベースとした場合のAnsari-Bradley検定法の頑健性について研究を行った。結論として以下のことが確かめられた。(1)位置母数の推定値としては、中央値を用いた場合が最もよく、最小値や平均値を用いた場合は、特定の分布に対して有効である。(2)母集団分布が対称の場合は、各々の標本数が20程度でもかなり正確な正規近似が得られる。(3)母集団分布が非対称の場合は、この検定法の有効性は、分布のskewnessの大きさに依存し、それが0.6を越えない範囲では対称分布と同様に有効である。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

牛沢賢二:Ansari-Bradley検定法の頑健性、産能大学紀要、第12巻1号、1992年6月掲載予定

牛沢賢二、杉山高一:主成分分析における個々の固有根のノンパラメトリック検定法の有効性 日本統計学会第59回大会、1991年7月24日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

共同研究は以下の内容について実施する。
(1)物理乱数にもとずく多次元乱数の生成法を検討し,乱数の開発を行う。
(2)連続型・離散型母集団を仮定して,ノンパラメトリックな方法による検定統計量の精度・信頼性等についてシミュレーションにより比較研究する。
これらの内容について分布論・乱数等の分野を専門とする清水良一先生にご参加いただき,また,物理乱数発生装置等の設備を利用して研究を進める。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

清水 良一

統計数理研究所

杉山 高一

中央大学