平成81996)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

8−共研−110

専門分類

8

研究課題名

情報教育の効果の測定に関する実証的研究

フリガナ

代表者氏名

マエダ タダヒコ

前田 忠彦

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

調査実験解析研究系

職  名

助手

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

2 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

小学校から大学まで学校教育現場で広く情報処理教育が実施されるようになった今日では,コンピュータ・リテラシの効果的な育成方法の開発が急務である。本研究では,コンピュータ・リテラシの負の情緒的側面であるコンピュータ不安に着目し,情報処理教育の前後でコンピュータ不安を測定するすることにより,情報教育の効果を検証することを目的とする。


情報教育の効果を測定するための尺度であるコンピュータ不安検査(CAS)を用いた以下の2つの研究を行った。
1. 小川によりデータ収集がされた大学生版コンピュータ不安検査(CAS)の標準化 資料の再分析を行い、共分散構造モデルを用いた因果モデルの分析という観点から同検査尺度の妥当性の検討を行う方法を考察し、妥当性の傍証となる結果を得た。
2. 2セッションの情報教育の前後で計3回にわたって同一学生に対してCASの測定を行ったパネルデータについて、確認的因子分析による分析を行って分散成分の分解を得る方法の検討を行った。データはサンプル・サイズが小さいためか、不適解等が発生しやすく、適切な分析モデルを現在も継続して探索中である。
なお、本共同研究の特徴の一つとして、平成8年10月より、統計数理研究所を含む全国の大学等の機関に導入されたスペース・コラボレーション・システム(SCSシステム)を積極的に利用したことが挙げられる。具体的には共同研究者の小川亮が主催する「コンピュータ利用に係る心理学的研究に関する研究会」において、本共同研究に関する研究発表及び討論を行った。
このことにより、本共同研究に直接係わる2名以外の(他の研究教育機関に属する)研究者に意見を求めることが可能となった。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

準備中

小川 亮 他 (1996) 「基礎的情報教育の実施に伴う情報処理能力の変化とコンピュタ不安の関係(3)」 日本教育工学会第12回全国大会、1996年11月
前田忠彦 (1996) 「確認的に基づく分散成分の推定」  コンピュータ利用に係る心理学的研究に関する研究会(SCS利用研究会) 第5回研究会、1996年12月6日
前田忠彦 (1997) 「繰り返し測定データの確認的因子分析モデルによる分析」(共分散構造モデルをめぐる2つの話題) コンピュータ利用に係る心理学的研究に関する研究会(SCS利用研究会) 第7回研究会 1997年2月7日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

本研究では,以下の2つの研究を行う。1.小川により標準化が進められた大学生版コンピュータ不安検査(CAS)に基づいて作成された小学生から高校生向けのコンピュータ不安検査について,現在までに収集された標準化資料を整理する。 2.小学生,中学生,大学生を対象とし,特定の教授方法下で,いわゆる Pre-Postデザインによるコンピュータ不安の測定を行い,期待される不安の低下を指標として情報教育の効果を検討する。以上の研究計画について,教育心理学・教育工学を専門とする小川が測定デザインと調査の実施を管理し,前田が専門とする共分散構造モデルの文脈の中で分析を行う。この研究により, Pre-Postデザインの分析に適合した共分散構造モデルの表現に関して,実践的な知見を得ることを目指す。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

小川 亮

上越教育大学