平成81996)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

8−共研−10

専門分類

1

研究課題名

分散共分散行列に構造を仮定しうるときの推測理論

フリガナ

代表者氏名

サトウ マナブ

佐藤 学

ローマ字

所属機関

広島大学

所属部局

工学部

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

5 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

分散共分散行列が構造をもつか否かで推測理論は大きく分かれる。そこで、構造を持つと仮定しうる場合に、その特徴を活かして母数推定を効率よく行うにはどの様な方法が考えられるか研究する。取り扱う構造は、計量生物学において実際に生ずるものである。


分散共分散行列に(差が正定値行列になるという意味での)順序の制約があるときの多重決定問題にたいする許容的手続きについて考察して、いくつかの結果を得た。
大気汚染の発生源寄与率の推定において、分散共分散行列にある構造が存在するとみなして解析された結果があった。しかし、その解釈には無理があると思われた。その構造はデータの変動係数が一定であるという検証されていない仮定から導出されたものだった。そこでその仮定をせずに推定量を構成してその分散をも求めた。データに適用したところ、満足すべき結果を得た。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

NISHIDA Nobuo, Admissible procedures for multiple decision problems of covariance matrices with order restrictions, 広島女子大学生活科学部紀要, 第2号,pp.41-49, 1996.
OHTAKI Megu, SATO Manabu, and NITTA Hiroshi, Estimating source apportionment of particulate matters based on source profiles with fluctuations, Environmetrics, 掲載予定.


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

分散共分散行列が構造を持つ場合の解析は、時系列において扱われることが多かった。しかし、近年は因子分析や潜在構造分析また共分散構造分析などにおいても、行列にある構造を仮定して解析が行われている。そこで、ある構造を持つと想定しうるデータを用いたときその構造の検出可能性、および、本当は構造がないのにある構造の存在を仮定してデータを解析したときの現象とを調べたい。統計数理研究所は第一線の研究者を擁し、かつ計算機資源も豊富であることから、共同研究を行うことで多くの成果が期待できる。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

大瀧 慈

広島大学

西田 信男

広島女子大学

橋本 哲男

統計数理研究所

増山 悦子

広島女子大学