平成282016)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

28−共研−4301

分野分類

統計数理研究所内分野分類

a

主要研究分野分類

8

研究課題名

森林における地理的な要因を考察した自然災害リスクの評価

重点テーマ

リスク科学のフロンティア

フリガナ

代表者氏名

カモ ケンイチ

加茂 憲一

ローマ字

Kamo Ken-ichi

所属機関

札幌医科大学

所属部局

医療人育成センター

職  名

准教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

129千円

研究参加者数

4 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

本研究においては、森林において発生する自然災害リスク(例:豪雪による冠雪害)発生のメカニズムを統計モデルにより表現し、リスクの定量化を試みる。リスクの定量化は、危険地帯における植林の自制など、森林マネージメント戦略においても活用することが可能である。本研究においては特に地理的な要因に着目し、それが災害リスクにどのような影響を与えているのかを評価する統計モデルを考察した。
本研究では、2004年に富山県において発生した冠雪害のデータを用いた解析を行った。冠雪害発生の有無については地理的な要因を説明変数とするロジスティック回帰モデル、冠雪害を3パターン(幹折、幹曲、根返)に分類した多項ロジット回帰モデルを設定し、変数選択による最適モデルを探索した。ロジスティック回帰による結果として、地理的には凹型地形および斜面方位の影響が強いことが分かった。凹型地形と斜面方位については、基本的に風の影響を受けないことが共通点となっている。風については、状況に応じてリスクを軽減する場合と上昇させる場合が存在することが先行研究で報告されているが、今回は風を受けないことがリスク上昇の原因であった。多項ロジットに関しても同様の結果が得られたが、冠雪害の種類に応じた細かな結果を得ることができた。地理的な要因に関しては同様であったが、その他の部分について、例えば根返については土壌の影響が強いといった、害各々の特性が反映された結果が得られた。以上の解析においては、立木の特性に関しても変数として導入しており、この点に関する補正がなされているものと見做すことができる。

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

【論文発表】
K.Kamo, T.Tonda, K.Satoh: Growth analysis using nuisance baseline. FORMATH, 16, 1-10, doi: 10.15684/formath.16.002, 2017.

【学会発表】
K.Kamo :Regression model approach for evaluating forest growth. IUFRO International Symposium FORCOM/SFEM/2016(三重大学), 2016年8月30日〜9月2日(発表30日,ポスター).
加茂憲一, 吉本敦: 森林経営における自然災害リスクの定量化モデル, 統計関連学会連合大会(金沢大学), 2016年9月4〜7日(発表6日,口演).

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

ありません

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

木島 真志

琉球大学

吉本 敦

統計数理研究所