平成162004)年度 共同利用登録実施報告書

 

課題番号

16−共研−12

専門分類

6

研究課題名

地震波形データ解析による地球内部構造モデル推定

フリガナ

代表者氏名

タケウチ ノゾム

竹内 希

ローマ字

Takeuchi Nozomu

所属機関

東京大学

所属部局

地震研究所

職  名

助手

所在地

TEL

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研究目的と成果の概要

本研究の目的は,地震波形データをデータとして逆問題を解くことにより,詳細な3次元地球内部構造を推定することである.地震及び観測点分布は著しく偏っているため,地震波形データの持つ情報も偏っており,これがrobustなモデル推定を阻害している.特に特定の地震−観測点を結ぶ地震波線方向に長く解像度カーネルが伸びるため,得られるモデルが使用するデータセットに強く依存することが指摘されている.
 私たちのグループでは,この問題を解決するため,地震波形データがどの領域をどの程度の密度でサンプリングするかを機械的に評価する指標を導入し,これを用いて全領域でほぼ一様なサンプリングを実現するデータの重み付けを行うインバージョン手法を開発した(Takeuchi & Kobayashi 2004, Geophysical Journal International). またこの手法を用いると,解像度カーネルがより等方的になるため,使用するデータセットに比較的依存しない,robustなモデル推定が可能になることを示した.
 本共同利用では,上記インバージョン手法を大規模データセットに適用することにより,詳細な地球モデル構造を推定することを目標としている.平成16年度では,インバージョンソフトウェアの並列化及び最適化を行った.64CPUをフル稼働させることにより,インバージョンに要する計算時間は1日× (使用するイベント数)
程度に短縮された。来年度は本ソフトウェアを用いて本格的なインバージョンを実施する予定である。