平成31991)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

3−共研−75

専門分類

8

研究課題名

「日本人の国民性調査」の総合的分析

フリガナ

代表者氏名

サカモト ヨシユキ

坂元 慶行

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

調査実験解析研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

9 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

1953年以来の「日本人の国民性調査」の8回の調査データを総合的に分析することによって,戦後昭和期全体にわたる日本人の意識の動向を明らかにする。


昭和28年〜63年までの8回の全国調査の結果を総合的に分析し、『第5 日本人の国民性調査−戦後昭和期総集』として公刊した。
戦後昭和期全般にわたる変化という観点から、これらの8回の調査結果を分析し、(1)政治・社会・生活などに関する日本人の意識は、戦後、大きく変わったが、身近な人間関係に関する意識は変化が小さかった。(2)戦後の日本人の意識は、第一次オイル・ショックを機に、それまでの近代化の進展から一転して伝統回帰へと向かったが、(3)現在は、これらの近代化や伝統回帰をも超えた新しい次元の意識状況にあり、その動向の基軸はまだ明かではない等の重要な事実を見いだすことができた。
また、ごく最近の意識動向の特徴としては、社会的不公平感の増大、金銭万能思考の蔓延、脱社会的・自己中心的態度の増加、女性の地位の上昇、などが挙げられるが、全体としては、清新さに乏しい“爛熟期の意識”とでも評すべき状況である。
いずれにしても、戦後昭和期の分析から得られた最大の成果は、身近かな人間関係観こそが意識の基底をなす、日本人理解の鍵であろうとの確証を得たことであり、この意味で、人間関係観の精細な解明を抜きにしては日本人理解の進展はありえないのではないかと考えられる。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

水野欽司、鈴木達三、坂元慶行、村上征勝、中村隆、吉野諒三、林知己夫、西平重喜、林 文
『第5 日本人の国民性』 出光書店 1992年3月31日

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

〈研究内容〉過去8回の「日本人の国民性調査」のデータに基づいて,数量化や種々の質的データ解析法を駆使して,さまざまな角度から,精細な分析を試みる。また,過去に実施した吟味調査や関連の調査の結果もとりいれて,分析の重層化を図る。
〈共同研究の必要性〉継続的な調査研究は,当初設定した研究の枠組みに強く規定される。林と西平はこの調査を第1次調査から推進してきた。したがって,戦後昭和期全体にわたる動向の分析という点では両者の参加が不可欠である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

鈴木 達三

帝京平成大学

中村 隆

統計数理研究所

西平 重喜

統計数理研究所

林 知己夫

統計数理研究所

林 文

東洋英和女学院大学

水野 欽司

大学入試センター

村上 征勝

統計数理研究所

吉野 諒三

統計数理研究所