平成クオ1989)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

クオ−共研−89

専門分類

8

研究課題名

日本人の価値観の統計的研究

フリガナ

代表者氏名

サカモト ヨシユキ

坂元 慶行

ローマ字

所属機関

統計数理研究所

所属部局

調査実験解析研究系

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

8 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

地価高騰,財テクブーム,国際化,情報化など,日本人をとりまく環境は,経済的にも文化的にも,急速に変わりつつある。こうした経済的な環境の変化は,特に都市部で,階層間格差を増大させつつあり,それはまた,日本人の価値観にも大きな影響を与えるものと考えられる。この研究の目的は,時系列比較と国際比較の両面から,所内外の最近の社会調査データを分析することによって日本人の価値観の特質を析出し,今後の価値観研究に資すとともに,必要な統計解析法の開発をめざすことである。


地価高騰,財テクブーム,国際化,情報化など,日本人をとりまく環境は,経済的にも文化的にも,急速に変わりつつある。こうした経済的な環境の変化は,特に都市部で,階層間格差を増大させつつあり,それはまた,日本人の価値観にも大きな影響を与えるものと考えられる。
この研究の目的は,時系列比較と国際比較の両面から,所内外の社会調査データを分析することによって日本人の価値観の特質を析出し,今後の価値観研究に資すとともに,必要な統計解析法の開発をめざすことである。
この目的を実現するため,今年度は,以下の基礎的な研究を行った。
1.これまでに「社会階層と社会移動調査」を分析し,日本の「階層帰属意識」の規定要因が,地位変数ではなく,主観的な変数であることを見いだした。しかし,この結果は必ずしも直観に合わない。そこで,継続調査では何が分かり何が分からないかを検討し,このような現象が起こり得る論理的な可能性を明らかにした。
2.「社会階層と社会移動調査」の調査結果を対象にして,戦後の階層移動率がどう変わってきたか,階層移動を規定する社会経済的要因としては何が支配的でどのような推移を見せたか,等について統計モデルを用いて検討した。
3.「13カ国価値観調査」や「日本人の国民性調査」などの調査結果を対象に,国家間や年齢階層間で,考え方の筋道が異なる質問項目を検出するための統計モデルについて検討し,いくつかの知見を得た。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

今年度に行った上の三つの作業の結果は,いずれについても,日本統計学会や『統計数理』などを通じて,新年度に発表する予定である。


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

(研究内容)
「社会階層と社会移動調査」,「13カ国価値観調査」,「価値意識調査」などを分析することによって,価値観の社会経済的環境要因に対する依存関係を時間的な変化と国際的な比較の両面から考察する。また,この過程で,このような分析に必要な解析法は何かを検討し,その開発をめざす。
(共同研究の必要性)
直井は社会階層論の面から,武藤,黒木,上村,佐野は消費経済学の面から価値観について考察する。また,石黒は主として解析法について考える。坂元と中村は,これらの協力を得て,全般的な分析・考察を行なう。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

石黒 真木夫

統計数理研究所

上村 淳三

日本経済研究センター

黒木 一典

日本経済新聞

佐野 美智子

日経産業消費研究所

直井 優

大阪大学

中村 隆

統計数理研究所

武藤 博道

日本経済研究センター