平成152003)年度 共同研究集会実施報告書

 

課題番号

15−共研−4007

専門分類

10

研究課題名

統計サマーセミナー

フリガナ

代表者氏名

サクライ ヒロヒト

桜井 裕仁

ローマ字

Sakurai Hirohito

所属機関

北海道大学

所属部局

大学院工学研究科

職  名

助手

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

38 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

はじめに
 本セミナーは,若手研究者および大学院で学ぶ学生のためのセミナーとして,30年程前から継続的
に開催されている。今年度も統計数理研究所からの援助を受けて開催に至った。当日講演者が用意した
レジュメは資料として添付している。
セミナーの概要
 今回のセミナーでは,研究代表者を含む3名から構成されるプログラム編成委員会を設置し,プログ
ラム編成を行った。プログラム編成委員会では,講演者の発表順番の調整だけでなく,発表時間の長い
講演者には,チュートリアル的な講演をしていただくことをお願いした。さらに,大学院生のうちに座
長を経験できる機会はほとんどないことを考慮し,各セッションの座長のほとんどは,博士(後期)課程
の学生にお願いした。セミナーのプログラムは,一般講演者によるセッションを中心として,上記のよ
うなチュートリアルセッションもセミナー期間中,毎日1〜2つ組まれた。
 チュートリアルセッションでは,「マルコフ連鎖・モンテカルロ法による分割表解析」,「重み付きス
コアに基づいたロバスト推定について」,「単位根・共和分検定チュートリアル〜実例を中心に」,「強定
常オルンシュタイン・ウーレンベック型過程の性質とその連続時間隠れマルコフモデルへの適用,(多
次元)一般化双曲型分布」,「(ジャンプ型)拡散過程の推定問題について」という5つの講演が行われた。
参加者の大半が大学院生であることを考慮し,それぞれの話題を初めて聞く人にもできるだけ分かるよ
うな講演となるよう配慮していただいた。
 一方,一般講演者によるセッションでは自由に講演していただいたが,こちらも初歩的な内容から説
明を始めた方が多かった。全部で19件の発表があったが,発表された内容には,ゲノム関連のデータ
解析,いくつかの頑健な推測法,モデル選択,変化点解析,回帰分析,ある種の分布族や推定量の性質,
分布の漸近理論,空間統計学,金融工学,大域的最適化問題などがあり,最新の研究成果を含む多種多
様な話題が提供された。聴衆者にとっては,ふだん自分が接していない研究分野の一端に触れることに
より,自分の視野を広める機会となり,多くの刺激を受けたセミナーとなったのではないかと考えられ
る。特に,同世代の動きは強い刺激となる。また,今回のセミナーで初めて多くの人の前で話す大学院
生もおり,登竜門としての役割も担っているものと思われる。
セミナーの様子など
 質疑応答は非常に盛んであった。普通の学会やシンポジウムなどでは恐らく質問を遠慮するような場
合でも質問できるような雰囲気があり,この点は若手主体のセミナーの長所であると考えられる。また,
セミナー後の夜も同じ宿泊施設で過ごしているため,宿泊所に戻る時間を気にしなければならないとい
うような制約はなく,十分な議論ができたものと思われる。今回のような合宿形式により親近感が増し,
それがセミナーを活発にした大きな要因の一つでもあろう。なお,ショート・コミュニケーションでは,
宿泊施設近隣の自然や文化に触れる良い機会を設けることができ,有意義なひとときであった。また,
計算機・ソフトウェアセッションでは,普段の研究に使用しているソフトウェアの紹介やその使用法に
ついての情報交換などを行うことができ,これも参加者には好評であった。
今後の抱負
 2004年度のサマーセミナーは,今年度と同様に統計数理研究所からの援助を受けることが内定し,
開催される予定である。今回のセミナーでは,博士(後期)課程の学生も多く参加し,非常に活発なセミ
ナーとなった。今後は,全国の大学で統計学を専攻している若手研究者や大学院生だけでなく,例えば
企業で統計を研究している若手研究者などにも周知し,参加者のさらなる増加を画策するなどの方策も
必要であろう。また統計のみならず,関連する諸分野の研究者との交流も図ることによって,研究視野
を広げることが期待できよう。

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

青木 健児

北海道大学

青木 敏

東京大学

井澤 大悟

北海道大学

植松 和毅

一橋大学

上村 信彦

北海道大学

牛嶋 大

財団法人 癌研究会

大津 洋

東京大学

金谷 太郎

京都大学

川崎 能典

統計数理研究所

小西 葉子

日本学術振興会

坂口 隆之

東京工業大学

清水 泰隆

東京大学

杉本 将人

東京工業大学

鈴木 了太

東京工業大学

多賀 伸幸

東京工業大学

高橋 邦彦

国立保健医療科学院

田中 研太郎

東京大学

田中 秀和

筑波大学

田中 冬彦

東京大学

塚田 真一

新潟国際情報大学

津熊 久幸

統計数理研究所

鳥越 規央

東海大学

中尾 裕之

宮崎医科大学

中村 智洋

東海大学

二宮 嘉行

九州大学

林 篤裕

独立行政法人 大学入試センター

平井 裕久

大阪大学

藤木 美江

大阪大学

藤澤 洋徳

統計数理研究所

増田 弘毅

東京大学

松本 智恵子

広島大学

Mwangi R. Waweru

北海道大学

森本 孝之

広島大学

宿久 洋

鹿児島大学

柳原 宏和

筑波大学

山本 大輔

東京大学

吉田 清隆

北海道大学