平成31991)年度 共同研究集会実施報告書

 

課題番号

3−共研−10

専門分類

8

研究課題名

考古学における計量分析 − 計量考古学への道 −

フリガナ

代表者氏名

カタダ タダシ

堅田 直

ローマ字

所属機関

帝塚山大学

所属部局

教養学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

14 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

近年,発掘調査の規模が大きくなり,たまには大型の土木工事を越えるほどの土量を動かすことがあり,それに伴って出土する遺物は膨大な量に達している。
ところが,その遺物の整理となると,行政上という理由で,十分に整理と研究の時間が与えられない。したがって,膨大な出土遺物の一部分が報告されるだけになり,その遺跡全体の構成を正しく把握することも困難である。このような実状から研究者の中から,出土遺物を数量化して母集団ともいうべき遺跡全体を把握しようという傾向がでてきた。
このような機に研究会を開くことは,考古学研究者が統計学的手法に対しさらに関心を高めるという意義がある。以上のことからぜひ研究会開催の許可をお願いする次第です。


考古学への計量分析の応用はまだまだ少ない。その原因の一つとして、考古学の研究者と統計学の研究者との交流が少ないことが挙げられる。そこで考古学と統計学の研究者が一同に会し、日頃の研究成果や研究にあたっての疑問点、研究手法に関する新知見などを交換するために本研究会を開催した。まだ第一回目であり、定まった方向性を示し得る段階ではなかったが、概ね所期の目的を達成し、今後の研究交流の布石となり得たと考えている。
なお、研究会での以下の研究について発表があった。
1.発掘地区の選択法−ランダムサンプリング法の適用− 植木 武(共立女子短期大学 助教授)
2.遺跡内の空間分析 森本和男(千葉県文化財センター主任技師)
3.包含層出土遺物の評価 藤田憲司(大阪府埋蔵文化財協会)
4.貝塚データベースにおける水産統計資料の利用 松井 章(奈良国立文化財研究所)
5.数量化理論はどのようにして創られたか 林知己夫(前統計数理研究所長)
6.考古資料分類作業における数量化II類 松永幸夫(鹿児島大学埋蔵文化財調査室)
7.撚糸文土器の計量分析 中津由紀子(ICU考古学研究センター主任研究員)
8.縄文時代の剥片生産について 松山 聰(大阪文化財センター技師)
9.古墳出土にしおでの多変量解析 宮代栄一(朝日新聞社福岡本部学芸部)、谷畑美帆(東京芸術大学大学院学生)
10.計量分析からみた須恵器の容量変化 吉川義彦(関西文化財研究長)
11.能登の中世土師器の編年 今井淳一(石川県羽咋市教育委員会主事)
12.土器のX線回析分析と数量化III類 堅田 直(統計数理研究所客員教授)
13.計量考古学への道 村上征勝(統計数理研究所助教授)


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

共同研究報告「考古学における計量分析」統計数理研究所 1991年9月

 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

今井 淳一

石川県羽咋市教育委員会

植木 武

共立女子短期大学

谷畑 美帆

東京芸術大学大学院

中津 由紀子

国際基督教大学

中橋 孝博

九州大学

林 知己夫

統計数理研究所

藤田 憲司

大阪府埋蔵文化財協会

松井 章

奈良国立文化財研究所

松永 幸男

鹿児島大学

松山 聡

大阪文化財センタ-

村上 征勝

統計数理研究所

森本 和男

千葉県文化財センタ−

吉川 義彦

関西文化財調査会