平成272015)年度 共同利用登録実施報告書

 

課題番号

27−共研−13

分野分類

統計数理研究所内分野分類

e

主要研究分野分類

7

研究課題名

Relationship Between Term Structure of Local Currency Sovereign Bond Yield and Term Structure of Sovereign CDS Spread

フリガナ

代表者氏名

ツルタ マサル

鶴田 大

ローマ字

Tsuruta Masaru

所属機関

一橋大学大学院

所属部局

国際企業戦略研究科

職  名

大学院生 博士課程

 

 

研究目的と成果の概要

本研究では、信用リスクの影響を考慮した先進国国債の金利期間構造に関する研究を行った。現地通貨建て国債に信用リスクがあると見なし、一般に社債に用いる誘導型モデルを適用することでクレジットイベントの到達率の確率過程を考慮した。また、信用リスクは、 主に自国通貨以外の外貨で取引されるソブリンCDS を用い、為替の影響を考慮するモデルを設定した。推定には、リスクフリーレートおよびクレジットイベントの到達率を潜在変数とする非線形状態空間モデルを扱う必要があり、 Particle MCMC を用いた。このとき、粒子フィルタの推定で並列計算による高速化が必要となる。なお、GPGPUによる高速化も実施している。

ドイツ国債を用いた実証分析では、 短期利回りに対してのみ信用リスクの影響がある結果となった。要因としては、 高い回収率が織り込まれているためである。また、ソブリンCDS には為替の減価が織り込まれている結果となった。推定されるリスクフリーレートの水準およびその変動の要因についても分析を行った結果、 他の金融市場との関連性があり、 米国債や為替レートとの関連性が高いことが確認された。

なお、研究成果として以下の学会発表を行った。

鶴田 大. Relationship between Term Structure of Local Currency Sovereign Bond Yields and Sovereign CDS Spreads. 日本ファイナンス学会第23回大会, 東京大学, 2015年6月6日.