平成232011)年度 重点型研究実施報告書

 

課題番号

23−共研−4103

分野分類

統計数理研究所内分野分類

b

主要研究分野分類

4

研究課題名

マルコフ連鎖モンテカルロ法による機能的力学系の設計と統計力学的特性

重点テーマ

マルコフ連鎖モンテカルロ法の展開

フリガナ

代表者氏名

ヤナギタ タツオ

柳田 達雄

ローマ字

Yanagita Tatsuo

所属機関

大阪電気通信大学

所属部局

工学部

職  名

教授

配分経費

研究費

40千円

旅 費

209千円

研究参加者数

4 人

 

研究目的と成果(経過)の概要

マルコフ連鎖モンテカルロ法(MCMC)は,物理学ではカノニカル分布のサンプリングに,統計学では事後分布からのサンプリングに,それぞれ広く用いられているが,確率分布で定式化できる任意の現象について適用できる手法であり,今後もその用途は拡大していくと思われる.なかでも,初期値や確率的状態変化のパターンを変数としてサンプルすることで,与えられたシステムを特徴づけるような「珍しい現象」(rare event)を実現することが「第3の用途」として注目されている.
 本共同研究ではこれらの成果を発展させ,決定論的力学系のパラメータをサンプリングし,与えられた条件を満たす性質を持つ力学系の設計を試みる.力学系の設計には無限の自由度があるので,自律力学系がネットワーク結合しているモデル群を考え,与えられた機能を満たすネットワーク構造をMCMCによるサンプリングを行う.これにより,与えられた現象が安定に起こるような「珍しい力学系」を系統的に見出し,得られたモデル群が持つネットワーク構造や力学的特徴の普遍性について探求する.
 研究成果を学会,及び国際会議などで発表した.MCMCによるパラメータ探索を発展させ,与えられた機能を満たす大自由度力学系の結合ネットワークの設計を試みた.具体的は外部ノイズに対して堅牢に同期する結合振動子のネットワークを設計し,そのネットワークの統計的性質を解析し,国際会議等で発表した.神経回路網のMCMCでデザインすることにより外部刺激を検知するシステムを構成し,そのダイナミクスを探求した.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

論文
1. Tatsuo Yanagita, Design and Dynamics of Active-touch Sensory Model, The proceedings of the 3rd International Conference on Cognitive Neurodynamics (2012)


学会発表
1. 柳田達雄 : 「協働の数理モデル」、日本物理学会年会、関西学院大学 (2012-03)

2. Tatsuo Yanagita, "Design and Dynamics of Active-touch Sensory Model", The 3rd International Conference on Cognitive Neurodynamics, Hokkaido, JAPAN (2011-07)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

菊池 誠

大阪大学

北島 顕正

大阪大学