昭和621987)年度 共同研究実施報告書

 

課題番号

62−共研−15

専門分類

2

研究課題名

統計データ解析エキスパートシステムの構成法に関する研究

フリガナ

代表者氏名

ウチナミ セイイチ

打浪 清一

ローマ字

所属機関

九州工業大学

所属部局

情報工学部

職  名

教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

8 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

先の文部省特定研究「特定データバンク」で,統計データベースシステムにおいても最近急激な発展をとげている知識工学を導入し,エキスパートシステムを構築すれば使いやすくなる幾つかの点が明らかになった。本研究ではそのうちの3分野でのシステム分析,システム設計を行い,基礎実験を行ってその構成法を明らかにすることを目的とする。


本研究は統計エキスパートシステムの構築に際して,システムのビジョン作りと,汎用的なシステムの概略設計をトップダウン的に行うことにし,本年度は2回研究会を開いた。
1回目は,統計データベース,統計エキスパートシステム等に関する共同研究者の各研究の現状の報告を行った。
1回目の討論の後,汎用のエキスパートシステムの要求分析,システム分析,システム設計の為のアンケート調査を行った。
2回目は,統計の専門家からの現在の最先端の現状の紹介と,統計エキスパートシステムに対する要求を聞いた。その後,アンケートの集計結果の報告を行い,次いでそれに基づき統計エキスパートシステムを構築する為の要求分析,システム分析,システム設計を行った。
アンケート調査項目は,統計データの対象範囲,統計エキスパートシステムに於ける知識:統計データのメタデータ,解析法に関する知識,その他の知識,誰の為の統計エキスパートシステムを開発すべきか,統計知識データベースとは,必要な統計エキスパートシステム:其の対象,モデル推定とパラメータ推定システムの必要性,そのうちのどの部分を開発すべきか,演えきの方向,統計エキスパートシステムに必要な機能であった。
8名からの回答があった。
統計データのメタデータ,解析法に関する知識等が分析・整理された。
統計エキスパートシステムの開発すべきタイプとしては,統計解析エキスパートシステム,モデル推定エキスパートシステム,時系列解析エキスパートシステムがあげられた。
統計エキスパートシステムに必要な機能としては,繰り返し改善の出来ること,誤用を防ぐこと,各種手法の適用ガイド機能等が大切なものとして挙げられた。
次年度はこの調査結果を基に特定対象を選び,統計エキスパートシステムの概略設計,詳細設計を行い,次々年度で試作を行う予定である。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

T.Matsuda et al“On an Expert System for Integrating Use of Different Softwarere Packages without Referring to Manuals”Macinter News,Ed.No.7(1987.4)
松田孝子“ユーザマニュアルのテータベー化とその自動引用”情報処理学会DB研資料DB60−1(1987.7)
T.Matsuda“Intelligent User Interface of Different Statistical Packages with a Knowledge−Based System”Statistical Data Bank Systems,North−Holland,(1988)


研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

統計処理において(1)どのような解析法があり,夫々がどのような特徴を持ち,どのように使い分けたらよいのか,そして手持ちのデータに対し希望の結果を得るにはどのような解析を行えばよいかをガイドするシステム。(2)統計表を統合して利用したい場合,メタデータベースを参照し,各属性が同じ意味なのかどうかを判定し,統合できるものは統合して統計解析できるシステム。(3)あるデータ群に種々の統計パッケージを適用したい場合,また一つの解析結果に次々と別の解析を続けて行いたい時のJCLを自動生成するシステム,についてシステム分析,設計,試作し,構成法を明らかにすると共に,試作システムの改善,普及をはかる。
会合してシステム分析,設計を行うと共に,各自で得意な分野の研究を分担する。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

刈谷 丈治

山口大学

小林 康幸

島根大学

佐藤 英人

東京国際大学

田村 義保

統計数理研究所

土谷 隆

統計数理研究所

松田 孝子

石巻専修大学

力宗 幸男

神戸商科大学