平成292017)年度 一般研究1実施報告書

 

課題番号

29−共研−1015

分野分類

統計数理研究所内分野分類

g

主要研究分野分類

4

研究課題名

地震発生と岩石破壊のシミュレーションおよび複雑系のダイナミクスと臨界現象

フリガナ

代表者氏名

カソノ カツミ

加園 克己

ローマ字

Kasono Katsumi

所属機関

東京慈恵会医科大学

所属部局

医学部医学科

職  名

講師

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

目的(地震):岩石破壊による地震の発生のようすをシミュレーション
により調べる.地殻の破断を,ばねでつながれた2次元系の質点系と
して扱い,境界に変位を与えた場合のモンテカルロ法を行う.
目的(臨界現象):2次元強磁性q=10状態のポッツ模型は1次相転移を
起こす.q=4では2次相転移となる.クラスター間の相互作用を取り
入れたマルチグリッド法によるモンテカルロシミュレーションを行
い,当方法の有効性を検証する.
成果(地震):ばねの相互作用は一様だが,全て乱数によってばらつき
を与えている.1MCS(モンテカルロステップ)ごとに変位を加算して
いくと,1次元系では,100MCS程度で大きな,系全体の破断が1回
起こり,その直後に小さな破断が起こる場合と起こらない場合があ
る.2次元でも,100MCS付近で大きな破断が起こり,局所的な破断
が500MCS程度まで,数回程度起こる.
成果(臨界現象):転移点下で,初期状態を秩序状態として,マルチグ
リッド法で緩和させる.生成するクラスター間の相互作用が長距離
相互作用になり,プログラムが遅くなっていると考え,長距離相互
作用が生じないアルゴリズムへの改良を行った.しかし,長距離相
互作用の生成を抑制するためのクラスタの変換過程に時間がかか
り,単独クラスター(Swandsen-Wang)法の方が計算時間は短く,
数十倍程度有利となっている.

 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

マルチグリッド法による相転移点上の平衡状態探査時間,加園克己,日本物理学会講演概要集,
第73巻第1号第73回年次大会(2018年)24pK703‐6.

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

小野 いく郎

東京工業大学

田村 義保

統計数理研究所