平成91997)年度 共同研究A実施報告書

 

課題番号

9−共研−7

専門分類

1

研究課題名

ハイパーテキスト型分散情報の検索方式の研究

フリガナ

代表者氏名

マルヤマ ミノル

丸山 稔

ローマ字

所属機関

信州大学

所属部局

工学部

職  名

助教授

所在地

TEL

FAX

E-mail

URL

配分経費

研究費

0千円

旅 費

0千円

研究参加者数

3 人

 

 

 

研究目的と成果(経過)の概要

コンピュータネットワーク上の膨大なデータの利用が可能になりつつあるが、これらの効果的な活用の為には大量のデータの中から必要なものを効率よく選択することが不可欠である。本研究では、ハイパーテキスト型の分散データからの情報検索過程の統計的モデル化を検討し、これを利用した知識獲得支援システムの基礎検討を行なう。


本共同研究において、本年度は、ハイパーテキスト型情報の3D可視化方式と、ユーザモデルの構築によるその高度化に関する基礎検討を行った。
近年、電子化された相互にリンク付された情報は急激に増大している。この中からユーザが必要とする情報を効率的に選択し、利用するためには、CG を用い情報の相互の関連等を直感的に理解し易い形に表示する情報可視化が有用であると考えられる。
本方式では、HTML で記述されたページのテキスト情報をTFIDF(Time Frequency Inverse Document Frequency)によって計算される、キーワード群に対する重みからなる多次元ベクトルで表現する。これにより、HTML 文書群は各ノードを多次元ベクトルとするグラフとして表現できる。
これをユーザに分かり易い形で表示するために、このグラフを3D情報可視化方式の一つである Cone Tree を用いて表示する方式を考案した。本方式では、Cone Tree の root は、ユーザのキーワード選択に基づいて、これとの内積が最大となる重みベクトル(HTMLページ)を選択することによって行い、以下同様の内積とリンク構造に従って子ノードを挿入していくことを基本として Cone Tree を生成して行く。
さらに、上記方式は静的な可視化であるが、これをユーザの検索過程をモデル化し、ユーザが次に求めると予測される情報を Cone Tree の回転等によって強調表示する動的可視化方式の基礎検討に着手した。


 

当該研究に関する情報源(論文発表、学会発表、プレプリント、ホームページ等)

研究会を開催した場合は、テーマ・日時・場所・参加者数を記入してください。

コンピュータネットワ−ク上の分散情報の代表的な形態である、ハイパーテキスト型情報を、多次元空間中のグラフとして捉え、expertによるこのグラフ上の検索過程を確率過程(マルコフモデル)としてモデル化することを検討する。また、得られたモデルを用いて、初心者ユーザであっても効果的な情報検索が可能になるような検索支援システムの基本方式の検討、及び検索目的に応じた多次元空間中のグラフの可視化方式の検討を行なう。これらの研究を行なうためには、確率過程、探索的データ解析などの確率・統計学の分野の研究者との共同研究が必要である。


 

研究参加者一覧

氏名

所属機関

栗木 哲

統計数理研究所

中野 康明

信州大学